宮津与謝地域のまちづくりを考えようと、4月22日、与謝野町・知遊館においてまちづくりシンポジウムが開かれました。
NPO法人、野田川町良い町づくりの会事務局等の野村生八氏をコーディネーターに、伊根町仕事おこしグループ「いーわーね」の芦原さかえさん、有機・減農薬の農産物・契約栽培・若い後継者づくりで注目されている誠武農園代表の西川誠司さん、前出石町長の奥村忠俊さん、京都大学教授・自治体問題研究所理事長の岡田知弘さんの4人によるパネル討論の後、開場からも積極的な発言がありました。
各パネラーから報告
☆芦原サカ江氏(伊根町女性グループ『いいわね』代表)
「お年寄りのためのボランティアグループの資金確保のため、組織を立ち上げた。魚の干物、よもぎもち、高齢者がつくった野菜でつくるコロッケなどを生産・販売している。商品の販路開拓、商品開発の相談窓口、税申告で課題」
☆西川誠司氏(『誠武農園』代表)
「組織で有機栽培100%のコメ、パイプハウスでの野菜(ミズナなどの京野菜)づくりに取り組む。販路は産直グループによる直売。社員6名、パート11名で運営。都会から研修生が来ており、2年の研修期間で後継者づくりにも取り組んでいる。課題は、いつまで農業や生産基盤が存続できるかだ。地域で守り続けていこうという意識が少ない。集落営農組織の立ち上げが必要」
小さい城下町だが、住民が中心となり観光振興に取り組んできた。自分たちの努力で「そば」を広めてきた。しかし、平成7年の107万人をピークに観光客は減り続けている。そば屋をすれば儲かる時代は終わった。そば屋を組織化し「出石そば」を地域ブランドとしたい。「そば神社」の設置、そば祭りの開催を検討。
観光ナンバーワンではなく、天橋立、城崎への立ち寄り型に特化していきたい。
☆岡田知弘氏(京都大学大学院教授)
『宮津・与謝の地域経済とまちづくりに何がもとめられているか』
・なぜ今、まちづくりなのか。大きな格差の存在、それより深刻な人間の
生存、国土保全の危機。
・宮津・与謝の地域経済の現状
・まちづくりの先進事例に学ぶ…大分・由布院、長野・阿智村
≪会場からの意見・質問≫
○林業振興は地球温暖化、環境対策からも必要だが、個人では取り組めない、市町村も財政が厳しい。森林組合は職員の待遇改善も困難だが、若い人の応募があったという希望も。
○パネラーの方の組織では、地元産品で原材料をまかなっているのか。
○地場産業である織物業が衰退、民商では「仕事おこし部会」を立ち上げ、地産地消、炭づくりなどに取り組んでいるが、地域ぐるみとしてはまだ模索中。