2020京都市長選挙結果を受けて(声明)

 2月2日投開票で行われた京都市長選挙で、京都自治労連も推薦する「つなぐ京都2020」の福山和人候補は161,618票(得票率34.6%)を獲得、大健闘したものの残念ながら勝利には至りませんでした。福山候補の勝利のために奮闘いただいた組合員と全国の仲間のみなさんの大きなご支援に感謝申し上げます。

 選挙は、安倍政権への国民的怒りが日増しに大きくなるもとで、国政で対決する与野党の相乗りや多選への批判、12年前にも出馬した元地域政党代表の市会議員が出馬し「3極対決」となったことなどを背景に、危機感をあらわにした現職陣営が自公や業界団体を必死に締め付け組織票固めを行いました。また、「大切な京都に共産党の市長『NO』」とのヘイトまがいの新聞広告を掲載しましたが、時代錯誤で選挙を愚弄し、市民を選別し、くらしや願いに背を向ける姿に全国からも批判が寄せられました。

 一方、福山陣営は「普通の市民が政治をつくる」との理念のもと、タウンミーティングを積み重ね市民の意見・要望を丁寧に聴き、双方向・ボトムアップ型で政策を練り上げ、最後まで幅広い有権者との対話を貫きました。また、今回の選挙は給付制奨学金の創設、子どもの医療費無料化や全員制の中学校給食の実現、敬老乗車証を守れ、京都のまちを壊すな、など市民の様々な要求運動の上に、2年前の知事選挙で築いた市民との共闘をさらに発展させ、候補者擁立段階から幅広い市民と一緒に闘う体制が出来上がりました。そのような中でれいわ新選組が福山候補を推薦し「共産vs非共産」の構図が崩れました。

 勝利したとは言え現職の門川候補は前回選より約4万4千票減らし、有効投票の45%の得票にとどまり、マスコミからも「謙虚に市民生活を見つめよ」「批判票に込められた市民の声にも、真摯に向き合ってほしい」と注文されました。一方、福山候補はマスコミの出口調査で無党派の約4割、立憲民主党支持者の45にまで浸透し、昨年参院選での日本共産党とれいわ新選組の得票の1.3倍を上回る票を獲得しました。また、10代の有権者や「子育て・教育」を投票の際に重視した有権者の約5割が福山さんに投票しました。投票率は40.71%と前回から5ポイント引き上がりましたが、6割の選挙に行かなかった市民に「政治が変われば暮らしが変わる」との声を届けきり投票に行ってもらうまでには至りませんでした。

 京都自治労連は、自治体労働者の働きがいが暮らし・福祉・営業など住民のための仕事をすることにあること、国の方針の押し付けや、官僚的なやり方では決して働きがいある仕事はできないこと、などを明らかにして、職場要求と市政転換を結びつけて福山候補の勝利のために奮闘しました。

 残念な結果となりましたが、京都自治労連は、選挙を通じて明らかとなった市民要求の実現と自治体労働者としての要求実現を結びつけ、京都市政の「変革」のために引き続き奮闘する決意です。

2020年2月3日 京都自治労連執行委員長福島功