期待を裏切り、要求に一切応えない不当報告に厳しく抗議する
すべての労働者の賃金・労働条件改善と憲法がいきる社会実現のため、全力で奮闘しよう

1.10月28日、人事院は月例給に関する報告を行った。官民較差が△0.04%、△164円と小さいため、基本給・手当とも据え置く、「ゼロ回答」である。

期末手当0.05月の引き下げ勧告に続き、コロナ禍のもとで、感染拡大の防止や感染予防、住民への対応をはじめ、日夜奮闘している公務労働者の生活を改善するものでもなく、私たちの要求に一切応えない不当な報告に強く抗議する。

2.コロナ禍のもとで日本経済を内需中心に回復させていくことが求められているなか、GDPの6割を占める個人消費の拡大は必須であり、そのためにも労働者の賃金を引き上げていくことが必要である。

イギリスやドイツなどでは新型コロナ感染症対策の最前線で対応する公務の役割を評価し、公務員賃金の引き上げが行われている。日本の全労働者の1割を超える約770万人に影響するといわれている国家公務員の賃金引き下げは、来春闘での民間労働者の賃上げへ悪影響を及ぼし、賃下げの連鎖と経済縮小という負のスパイラルを招き、日本経済の回復を求める労働者・国民の願いに背を向けるものである。

3.この間、人事院は、政権・財界の意向にそって公務員賃金を抑制し、地域間格差の拡大、人員削減やアウトソーシングをすすめてきた。一時金削減・月例給据え置きを勧告・報告する人事院は、公務労働者の労働基本権制約の代償機関としての役割を放棄し、政府の公務員総人件費抑制政策を推進する立場に陥っている。

公務労働者の奮闘に対し、新型コロナ感染防止対応や長時間・過密労働解消に必要な人員確保、会計年度任用職員の処遇改善をはじめ、賃金・労働条件の改善を実現させなければならない。

4.とりわけ、非正規労働者に対して扶養手当や住居手当などを支給しないことは不合理とする郵政「労働契約法20条」裁判最高裁判決や「パートタイム・有期雇用労働法」改正の主旨を受け止め、人事院としての考え方を示すべきところ、非常勤職員の処遇改善について、10月7日勧告に続き全くの「ゼロ回答」であり、代償機関としての責任を果たしていない。均等待遇の実現は使用者としての責務であり、京都自治労連は、確定闘争で会計年度任用職員等の処遇改善を強く求めるものである。

5.菅政権は発足にあたって「安倍政治」の継承を掲げたが、日本学術会議が推薦した会員候補の任命拒否など意向にそぐわないものを排除し、所信表明では唯一の戦争被爆国であるにも関わらず核兵器禁止条約発効に一切言及しないなど、強権的・独善的な政治姿勢を現している。

新型コロナウイルス感染症の収束が見えないなか、感染防止策が不十分であるにもかかわらず、政府は経済対策を重視する姿勢に転換した。今こそ、住民のいのちとくらしを守る公務公共の役割の発揮が求められている。

京都自治労連は、住民のいのちとくらしを守るため、大企業優先、いのちよりも経済重視の政治からの転換をめざし、みずからの要求と結びつけて、憲法がいきる社会を実現するために全力をあげる。そして、20秋季年末闘争で、切実な職場要求の実現、すべての労働者の賃金・労働条件改善のため、全力で奮闘するものである。

2020年10月28日
京都自治体労働組合総連合