(談話)

京都市長選挙の結果について

 2月4日投開票で行われた京都市長選挙(投票率41.67%)では、京都自治労連の推薦する「つなぐ京都2024」の福山和人候補が161,203票(得票率34.4%)を獲得し大健闘しましたが、自民党、立憲民主党、公明党、国民民主党が推薦する現職後継の松井孝治候補(177,454票、得票率37.9%)に惜敗しました。

 福山市長の実現に向けて、大奮闘いただいた組合員のみなさん、物心両面にわたり力強いご支援をいただいた近畿ブロックをはじめ全国の自治労連の仲間の皆さんに心より感謝申し上げます。

 退任する現市長は、財政危機を招いた大型開発は聖域化する一方で、「社会的課題の解決、これを税金で、公務員が、行政がやらなければならない時代は終わった」と言い放ち、公共の役割を投げ捨て、職員の削減、民間委託などをすすめるとともに、敬老乗車証の改悪、保育園への補助金カット、学童保育料の引き上げ、各種公共料金の引き上げなど、福祉の切り捨てと市民負担増を押し付けてきました。さらに、「子育て環境日本一」とは名ばかりの府内各自治体からも立ち遅れた子育て支援策、規制緩和とホテル建設ラッシュの野放しによる地価高騰により、深刻な子育て世代の人口流出を招いてきました。

 コロナ禍と物価高騰が市民のくらしと生業を直撃しているもとで、カットされた福祉予算をもとに戻し、18歳までの子どもの医療費無償化、給食費の半額無償化など市予算のわずか1%で実現可能な「すぐやるパッケージ」や、市民のくらしと生業を支援する施策をすすめることで京都経済を活性化し、税収をアップさせて持続可能で健全な京都市財政を再建する「京都モデル」など、福山さんが市民の声を集めて作り上げ、市政改革の展望を示したマニフェストには大きな期待と共感が広がりました。

 同時に、国政を揺るがす裏金・パーティー券問題でも、京都市民の審判への注目が集まりましたが、疑惑の解明を訴える福山さんに対して、自民党に推された現職後継候補など他の候補は「自治体の首長(候補)がどうこういう話ではない」などと、まともに言及することもできませんでした。この点でも、「お金ではなく政治は民意で」「お金ではなく市民の声を集めるのが市長の仕事」と訴えるクリーンな福山さんへの共感が広がりました。

 なお、選挙戦の中盤から終盤にかけてマスコミから「横一線」「無党派層では福山氏がリード」などの情報が伝えられるなかで、危機感を募らせた現職後継陣営は投票日の前日と当日にも「時計の針を戻してはならない!」「一党一派に推される市長による偏った市政運営で京都を後退させてはなりません」「いま、京都が危ない!」などの新聞広告を掲載しました。政策そっちのけのこうした攻撃は、選挙を汚し市民の共同を分断しようとするもので断じて許せず、市民からも批判の声があがり、つなぐ京都2024は「すべての市民とつくる政治へ」と最後まで政策を堂々と訴え、現職後継陣営を震撼させるまで追い詰めました。

 残念ながら、福山さんを当選させることはできませんでしたが、「市民が政治をつくる」流れをさらに大きく広げ、福山さんの掲げた「宝のマニフェスト」の具体化、「公共を取り戻す」たたかいに引き続き全力で取り組んでいく決意です。

2024年2月5日
京都自治体労働組合総連合
書記長 小林 竜雄