さる5月18日及び6月22日、京都自治労連・医療部会は京都医労連と共同して、口丹以北の7つの自治体病院・診療所(久美浜病院・弥栄病院・新大江病院・亀岡市民病院・南丹病院・瑞穂病院・和知診療所)を訪問。各病院・診療所で約一時間程度、事務長など当局者と面談し、懇談・申し入れを行いました。
今、安倍内閣の強行する医療制度改悪により、「医療難民」「介護難民」という事態が広がるとともに、患者さんの治療中断や診療抑制など住民のいのちと健康に関わる深刻な事態が起こっています。一方、自治体病院・診療所では、医師・看護師不足や自治体・病院の財政困難のなか、地域医療の縮小・再編、病院リストラの危険が強まっています。
こうした状況のもと、今回の訪問活動は、地域医療や自治体病院の状況、医師・看護師確保の現状・課題などを把握し、今後の地域医療充実めざす共同の取組みに生かすために行われました。
いく先々の病院で、「昨年の過去最悪の診療報酬のマイナス改定で大幅な減収を余儀なくされている」「医療制度の相次ぐ改変は、まじめに地域医療をやっているものには、腹立たしい内容だ」「政府の低医療費政策と医師・看護師不足で地域医療が崩壊しつつある」「医師確保が困難で非常勤医師に依存せざるをえない。府がもっと大きな役割を発揮してほしい」など意見や要望が次々と。
また、「政府は在宅へというが、地域にも在宅にも介護力はない」「財政状況は苦しいが、地域医療を守る上では療養病床は必要・不可欠で残してゆきたい」など、公立病院として、住民に必要な医療は不採算であっても維持するために様々な努力がおこなわれていることも明らかになりました。また、懇談を通じて、労使の立場は違っても、地域医療を担う公立病院の役割が発揮できるよう、国や府・関係機関に働きを強める事が重要であるという認識を共有することが出来ました。
引き続き医療部会は、京都府内のすべての自治体病院訪問をめざすとともに、懇談等で明らかになった実態や要望などをもとに、地域医療と自治体病院の充実めざす地域での共同の発展、病院職場の切実な要求の実現や組織の拡大・強化などの活動を強めることにしています。
京都自治労連 第1659号(2007年7月5日発行)より