2013年8月2日 
京都に米軍基地いらない府民の会
連絡先:075-801-2308

【声明】住民無視の米軍基地設置容認表明をする市長、知事の責任を問う

1、 昨日(8月1日)京都府知事と京丹後市長が会談を行いました。本日付の報道では、両首長は、今後、議会などへの説明をし、受け入れを正式に表明するものとされています。私たちは、米軍基地を容認しようとする今回の両首長の説明は、全く道理がなく、設置地域住民の声を無視したもので、自治体としての本来の役割を放棄したものと断定せざるを得ません。しかし、首長や議会が了解しても府民と住民の理解のない計画は進められるものではありません。こうした理不尽な米軍基地の設置をやめさせるため、私たちは今後ともとりくみを強めるものです。

 本日付の新聞報道では、「京丹後市長レーダー受け入れへ」(京都新聞)「国益に協力 道理 京丹後市長容認へ」(朝日新聞)などと報道しました。京都府知事は「一番尊重すべきは京丹後市の意見だ。きちんと対応したい」(京都新聞)とし、各紙は「受け入れを表明すると見られる」(京都新聞)「『総理と米大統領が決定した防衛の問題に自治体が口を出すのは違う』と基本的に受け入れる姿勢を表明した」(朝日新聞)としました。
この会談で、京丹後市長は受け入れを前提として10項目の条件を示しました。この中には、「事件事故の発生や健康・環境への被害の恐れがある場合の責任ある対応」「生活・産業に対する影響への対策」「日米地位協定の見直し」「警察官の配置」「府道改良」などとしています。そして「これが確認されれば、住民の安全安心について理解できる」としました。しかし、この「住民の安全安心」は、確保することができないということが、ますます明らかとなってきていると指摘せざるを得ません。

2、 今回のミサイル防衛のためのレーダー設置は、明らかに米国本土のミサイル防衛のためです。住民から、「日本を守るためならどうして自衛隊の配備ではないのか」という質問は、きわめて的を得たものでした。「国益」というなら、それは、日本に住むすべての住民の安全を確保することが大前提のはずです。日米両政府が軍事的に必要だからと、その地域の住民の安全安心が損なわれるのであれば、国のためなら国民の犠牲はしかたがないということにしかなりません。そして、丹後地域が攻撃目標にさらされることになるということについて、防衛省の「防御に万全を期す」という一般的説明で良しとするにはあまりにも無責任です。

3、 米軍基地設置についてはJEGS基準があり、これにもとづいて環境評価を行うべきなのに、無視され続けています。国が反故にし、自治体も求めないのは異常という他ありません。今回にかかわっては、大気排出物、飲料水、排水、歴史的・文化的遺産、絶滅危惧種などの関連する項目があり、くらしや農漁業への影響なども含め十分な検討がされるべきです。京都府が参与会を設け検討してきたのは、電磁波の生体への影響を中心とした、文字通り全体の一部にすぎません。アメリカでは当然のごとく行われている環境評価が日本で行われず、しかも、自治体もそのことを追認するのは論外の姿勢です。

4、 米軍基地は文字通り治外法権の存在であるばかりか、日本国内で米兵が起こした犯罪も、その多くが起訴できない事実が厳然としてあります。「日米地協定の見直し」を求めるとありますが、この問題は、密約もあるなどその全貌が明らかになっていないという問題があるとともに、公表・公開された実態だけでも、米軍の数々の特権を定めた屈辱的な内容です。日本の主権は大幅に侵害されています。平成23年までで、沖縄県だけでも35万件以上の刑法犯がありました。そのため米軍基地がある地域を中心に抜本的な見直しが長年にわたって求められてきましたが、全く改善されてこなかった問題です。現在の米軍の日本での実態からは、住民の安全安心確保は、警察官を配置するだけでは不可能であることを示しています。

 
 私たち京都に米軍基地いらない府民の会は、あらためて米軍基地設置反対のとりくみを進めるものです。

以上