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「公立病院改革プラン」による自治体病院の縮小・再編に反対し、いのちと地域を守る大運動をいっそう強化しよう。
― 総務省の「公立病院改革プラン策定状況等について」(調査結果)についてのコメント―

2009年5月13日   京都自治労連・病院対策委員会

 総務省は4月28日、地方自治体に対して3月末までの策定を要請していた公立病院の「改革プラン」についての調査結果をまとめ公表した。その概要から次の点が指摘できる。

  峺立病院改革ガイドライン」で都道府県に「旗振り役」が求められていた、「再編・ネットワーク化の計画・構想等の策定」では、「策定済み」が22道府県、「21年度内策定予定」が16県、「22年度以降・時期未定・検討中」が、京都府をふくむ9都府県となっている。

「作成済み」のところは全都道府県の半数以下であり、「ガイドライン」で「都道府県は・・・平成20年度までに都道府県内の公立病院等の再編・ネットワークに関する計画を策定」と明記していたことからみても、政府・総務省の当初の思惑通り進んでいないことが浮き彫りになっている。

しかも、「策定済み」としている道府県でも、北海道・岩手をはじめ、全国各地で計画・構想への批判が広がり、計画そのものの大幅な修正や頓挫寸前の状況になっている地域もある。

このことは、この間、自治労連が関係団体と共に進めてきた「いのちと地域を守る運動」や、市町村長・地域の住民・広範な団体が共同した「住民ぐるみの地域医療をまもる」運動などの反映といえる。引き続き、都道府県を通じた「ガイドライン」にもとづく「再編・ネットワーク化」等の押しつけに対して、地域での共同を広げて取り組みを発展させることが重要になっている。

 一方、各自治体ごとの「病院改革プラン」の策定状況では、都道府県立病院で「策定済み、39都道府県(83%)」「21年度内策定予定、8府県(17%)」、市町村立・一部事務組合立等は「策定済み、564自治体(92・6%)「21年度以降策定予定・検討中、45自治体(7・4%)」となっており、ほとんどの自治体で策定されている。京都は、府立病院が「21年度内策定予定」、市町村立・一部事務組合等では、10自治体中、9自治体で策定済みで、「21年度内策定予定」が、南丹病院組合となっている。

 これは、この間の政府の構造改革路線に基づく社会保障費削減・自治体構造改革の政策のもと、医療制度の改悪・医師看護師不足・地方交付税削減などによる、自治体病院運営の困難に加えて、地方財政健全化法や「ガイドライン」による自治体締め付けの結果と考えられる。

各自治体の「改革プラン」の中には、この間の運動が反映して、例えば、京都・亀岡市の例に見られるように、ガイドラインに追随した内容ではないものもあるが、全体的には、政府・総務省に追随し地域医療の実態を無視して、「経営の効率化」「再編・ネットワーク化」「運営形態の変更」をおしすすめようとするものが多くあり、これらが現実に具体化されると、地域医療の崩壊といわれる事態に拍車をかけ、国民の生存権を脅かし、地域そのものの崩壊を加速させる危険がある。

 本年3月〜4月に朝日新聞社が独自に実施した、全国の自治体病院への改革プランの内容についてのアンケート調査(本年3〜4月、全国657病院が回答)によると、ベッド削減を決定・検討している病院が33%もあり、病床削減数は、具体的に答えた137病院だけで5729床にものぼっている。地域的には、北海道の病院の61%、東北44%、近畿36%、四国36%、北陸・甲信越・東海28%、九州26%中国25%、関東12%が削減を決定・検討している。

また、過疎地などで重要な役割を果たしている「50床未満の病院」のうち、49%が削減を決定・検討し、44%が診療所への転換を検討していると回答している。

身近に入院できる病院がなくなり、「医療難民」といわれる実態がさらに深刻となり、救急医療体制がいっそう困難となるなど、「保険あって医療なし」の事態が広がって、国民皆保険制度を医療提供体制の側から崩壊させることに繋がる危険性が浮き彫りになっている。

 いま、大きな社会問題になっている新型インフルエンザへの対応についても、自治体病院が、感染症指定医療機関として、また発熱外来の設置などで、かけがえのない大きな役割を担っていることが、あらためて明らかになっている。

自治労連は、政府が自治体病院が地域で担っている役割を深く認識し、「ガイドライン」に基づく縮小・再編の押しつけを中止するとともに、地域医療・自治体病院の拡充・強化にむけて、医師確保をはじめ緊急・抜本的な支援を行うことを強く要求する。

また、自治体・病院当局が、ガイドラインに基づく国の地方自治への介入に反対するとともに、住民と力を合わせて地域医療と自治体病院を再建・充実し、住民とともに健康で安心して暮らせる地域づくりをすすめることを強く求める。

 自治労連は引き続き、幅広い国民諸階層と連帯・共同して「いのちと地域を守る大運動」を強化し、地域医療の実態を無視した「ガイドライン」の押しつけや「病院改革プラン」による自治体病院の縮小・再編に立ち向かい、地域医療・自治体病院の充実をめざして、地域からの提案づくりをはじめとする取り組みをいっそう発展させる。

また、地域医療・自治体病院の3重苦(診療報酬の改悪・自治体の財政悪化・医師看護師不足)の根本にある社会保障費削減・自治体構造改革など、自・公政権すすめる構造改革政治の転換にむけて全力で奮闘する。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(別記) 各自治体の「病院改革プラン」作成状況の概要
  峽弍弔慮率化」では、「20年度において既に黒字(見込み)」が170病院(20・3%)、経常収支黒字化目標年度について「21〜23年度」が374病院(44・7%)
◆ 嶌栃圈Ε優奪肇錙璽化」では「20年度末までに結論をとりまとめ済み」が159病院(19%)、「21〜23年度に結論をとりまとめ」は276病院(33%)
 「経営形態の見直し」では、「20年度末までに結論をとりまとめ」が245病院(29・3%)、「21〜23年度に結論予定」は308病院(36・8%)となっている。
ぁ 峽弍跳疎屬慮直し」の内容では、
地方公営企業法の全部適用(実施済み300病院)新たに78病院が予定、
地方独立行政法人化(実施済み11病院)新たに34病院が予定、
指定管理者制度の導入(実施済み54病院)新たに10病院が予定、
民間移譲は新たに12病院が予定、H23年度までに結論取りまとめ予定が553病院(66.1%)。            


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