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退職手当大幅削減の閣議決定・2012人事院勧告をうけて

さらなる賃下げ・総人件費削減の12人勧に断固抗議する!

2012年8月8日
京都自治体労働組合総連合


1.政府の退職手当大幅削減・地方にも引き下げ迫る閣議決定に断固抗議する。

  政府は8月7日、国家公務員の退職手当の引き下げ、早期退職募集制度の新設などの方針を決定した。

 公務労組連絡会として、6月に政府から提案を受け、8月6日に初めて段階的な引き下げ措置(2013年1月から現行から▲6%、10月から▲12%、2014年7月から▲17%)の提案があったばかりであり、17万の署名や組合の強い反対を押し切っての閣議決定強行に断固抗議する。

 この10年あまりで年収が75万円(35歳持ち家、妻・子ども2人扶養)も下がっていることに加え、今年4月からの国家公務員7.8%賃下げ「給与臨時特例法」に引き続く、平均402.6万円もの退職手当の削減は、全ての公務労働者の生活を悪化させ、働きがいを奪うものであり、断じて認めるわけにはいかない。そもそも、人勧制度無視の「国家公務員7.8%賃下げ」そのものが違憲であり、加えての退職手当削減も重大な労働条件であり一方的な不利益変更は、違法であり認められない。また、これは消費税増税への「地ならし」であり、地方公務員や民間労働者の賃下げにつながり賃下げの悪魔のサイクル、消費不況から大恐慌を招きかねないという点でも許すわけにはいかない。

 これほどの大幅な引き下げは、大量の早期退職を誘発する危惧もあり、採用抑制のもとで職場の混乱をきたしかねない。再任用制度の設計でも労使協議が進んでいないもとで、経過措置も不十分な上に協議もしないという全く乱暴なやり方である。

 京都自治労連は、公務労組連絡会に結集し、国家公務員の賃下げ違憲訴訟の支援とともに、地方への「準拠」提案を許さない闘いとあわせ、退職手当の引き下げの法改正を許さない闘いに全力をあげるものである。

2.憲法違反の賃下げ容認、政権いいなりで総人件費抑制進める2012勧告を厳しく糾弾する。

  人事院は8月8日、国会と内閣に対して2012年度の勧告と報告を行った。その内容は、国家公務員の賃下げ(平均7.8%)が行われているもとで、減額前の月例給が民間と較差が小さく給料表の改定なし、ボーナス(一時金)も民間と均衡しており改定なし、50歳台後半の給与水準抑制のため、昇給・昇格制度を見直す(改悪する)というものである。

 昨年、人勧制度を踏みにじって、7.8%もの一方的な賃下げを政府が主導した時には、人事院総裁は、国公法28条に基づかない、一部(自治労など)の組合の合意しかない、などの理由をあげ、「極めて遺憾と表明」と表明したにもかかわらず、今回の勧告では賃下げを前提にした勧告となっており、人事院の役割を放棄したものである。減額後の国家公務員賃金と民間との比較については公務労組連の度重なる要請のもとで、ようやく参考資料として公表したにすぎず(実際の賃金は、例えば大卒で地域手当非支給地の初任給では、民間を15%も下回る)、法で定めた国家公務員の賃金のあり方(生計費や民間との均衡等)や人事院の役割に背を向けた勧告であり、断じて認めるわけにはいかない。

 勧告・報告の概要は、(1)月例給の較差は減額前▲273円(▲0.07%)−公務が民間より高い。減額後だと28,610円(7.67%)−だが、官民較差が小さく給料表の改定は行わない。(2)一時金(ボーナス)は、現行3.95月で、民間3.94月と均衡しており改定なし。(3)50歳台後半層の給与水準抑制のため、昇給・昇格制度を見直す。−55歳を超える職員は標準の成績で昇給なし、50歳台後半層を中心に昇格時の増額幅を縮減− (4)給与構造改革に伴う昇給抑制の1号回復は2013年4月1日時点で31歳以上38歳未満。 (5)産業構造、組織形態の変化等への対応として、調査対象産業の見直し、組織のフラット化等への対応を検討 (6)国家公務員制度改革(関連4法案)への意見−利害・得失の検証を強調 (7)高齢期雇用問題−新たな再任用制度の課題と環境整備に言及 (8)能力実績に基づく人事管理、勤務環境の整備−超勤縮減や配偶者の転居を伴う転勤への配慮等−など、である。

3.2012人事院勧告の問題点

 人事院は、労働基本権剥奪のもとで、その代償機関として、国家公務員の賃金労働条件を維持向上させていくことに責任がある。その上で、今回の2012人事院勧告の問題点を大きく3つの点で指摘しておきたい。

 第一に、勧告が、今年4月から実施された平均7.8%の賃下げを一方的に行った「臨時特例法」を容認していることである。今、国家公務員370名を原告として「国家公務員賃下げ違憲訴訟」が闘われているが、憲法で保障された労働基本権、対等平等の関係で労働条件を決定するとした労働基本法、スト権剥奪のもとでの代償機関としての人事院勧告を無視し、労働組合との合意のないままの一方的不利益変更、など憲法違反であることは明らかである。昨年時点では、人事院総裁も「遺憾の意」を表明していたにもかかわらず、今回の勧告では、「未曾有の国難に対処するための臨時特例であることを勘案」して、削減前のもらってもいない賃金との民間との比較による勧告を行うという事実上「賃下げ特例法案」を容認していることが最大の問題である。

 第二には、臨時・非常勤職員の処遇改善を放棄し、均等待遇に背をむけ、格差を黙認していることである。最低賃金水準の非正規雇用公務員は、世界標準である均等待遇からほど遠く、官製ワーキングプアとしての実態は、社会的にも批判が強まっているもとで、何ら言及がないことは、格差を黙認・推進する勧告と言わざるを得ない。

 第三の問題点は、政府の進める新自由主義的な国家公務員制度改革、総人件費抑制を後押ししていることである。能力実績主義、評価制度の徹底をさらに推進し、総人件費抑制を進めようとしていることは、その典型である。55歳超の昇給制度の改悪でも、評価制度を前提にしていることとあわせ、標準の成績では昇給しないという人件費抑制のための制度改悪であり、断じて認めることはできない。高齢期雇用問題でも、昨年の2011勧告で、定年延長を基本とした意見具申を行ったにも関わらず、政府が「再任用制度」を前提にした制度設計を方針とすると、それを前提に若干の具体的に予想される問題に第3者的に懸念を表明しているに過ぎない。この姿勢は、国家公務員制度改革に関わる(関連4法案)に対する意見でも同じであり、労働基本権剥奪の代償機関としての人事院ではなく、政府の都合のいい公務員づくりのための人事政策推進のための人事院であると言わざるを得ない。

4.脱原発、消費税増税阻止、社会保障の充実求める国民的運動が政治を大きく動かしている今こそ、野田内閣の打倒を掲げ、秋季年末闘争をたたかおう。

 政局は波乱ぶくみで大きく動いている。その背景に、脱原発や消費税増税反対などの国民世論と運動があることは明らかである。税と社会保障関連法案の廃案をめざし、また、退職金削減法案を許さない闘いをはじめとした公務員の賃金・労働条件改善の闘いも国民的な支持を広げていくことが求められている。これから、12人勧を受け、各単組での要求書提出や交渉がはじまるが、私たちの賃金労働条件の改善は、景気回復や民間賃金改善にも影響を与えることと併せ、働きがいのある職場づくりは住民サービスの向上にとっても必要であることに確信をもって闘おう。同時に、今年の秋季年末闘争は、「脱原発」の課題でも、「税と社会保障の一体改革」に対する課題でも、「地域主権改革」「公務員制度改革」に対する課題でも、地域の方々との共同闘争の構築、国民的な大運動が求められている。

 京都自治労連は、組合員の皆さんとともに全力をあげるものである。
 


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