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2019年9月30日

地域医療を崩壊させる
公立・公的医療機関の再編・統合の押し付けに強く抗議する
(談話)

京都自治体労働組合総連合
書記長 小林 竜雄

 厚生労働省は9月26日、再編・統合の必要性があるとして、京都府にある国保京丹波町病院、市立福知山市民病院大江分院、独立行政法人国立病院機構宇多野病院、舞鶴赤十字病院の4病院を含む全国424病院の公立・公的病院等の名称の公表を強行した。

 対象について厚生労働省は、自治体病院や日赤などの公的病院等1,455病院で、2017年度の報告データを基に、「診療実績」「似た実績のある病院が近隣に存在するかどうか」という「分析」を行い、このうち人口100万人以上の区域を除いた3割の424病院に対し、病床数の削減・変更や診療体制の見直しが必要であるとし、来年9月までに各病院に病床の削減や他の病院との再編・統合などの結論を出すように求めている。

 厚生労働省は、「増え続ける医療費を削減」するために、「地域医療構想」を都道府県に作成させ、病床削減を図ろうとしたが、各地での「地域医療を守れ」の運動の高まりや、実態を無視した病床削減の押し付けに、少なくない自治体や医療機関が反対し、総務省や厚生労働省の思惑通りの病床削減が進まないことから、今回、強硬策として病院名の公表を一方的に行ったものである。

 再編・統合の必要性については、重症患者向けの「高度急性期」、「急性期」病院を対象に、がんや救急医療など9項目の診療の実績、競合する病院が「車で20分以内」の場所にあるかどうかで判断している。しかし、受診抑制が広がっている事態や、「病院設立は住民の悲願」と大変な思いをして、設立された公立・公的病院の歴史や、地域の交通事情、独居老人問題やリハビリなどの公立・公的病院が持つ特別な役割はまったく考慮されず、医師や看護師の慢性的な不足の状況や労働実態なども無視をした、「机上の空論」に他ならない。

 私たち京都自治労連が毎年行っている自治体病院との懇談では、困難な地域の暮らしの実態とともに、「住民の命の最後の砦」である自治体病院を何とか守りたいと、大変な努力をされていることが行く先々で語られる。今回の「公表」は、住民の医療を受ける権利を奪い、厳しい状況の中で地域医療を支える医療機関・自治体の努力を無にし、地域医療を崩壊させるものであるとともに、患者や地域に混乱をもたらすものである。名指しをされた京都の4病院はもちろん、それぞれの地域の病院は、患者・住民にとってかけがえのない病院である。住民の意思、病院と地域の歴史を無視して進める国主導の一方的な病床削減は、憲法25条が謳う健康で文化的に生きる権利、「ふるさと」で生きる権利を否定するものである。

 総務省は、今回の厚生労働省の実名の公表を受けて、全国知事会と総務、厚生労働両省による国と地方の協議の場を10月には設定し、都道府県に2020年9月までに、対応方針をまとめるよう働きかけを強めるとしている。一方、京都府はこれまで「地域医療構想」の策定にあたっても、地域の実態を反映した独自の「京都府地域包括ケア構想(地域医療ビジョン)」を作成し、一定の役割を果たしてきた。

 京都自治労連は、政府による公立・公的医療機関の再編・統合の押し付けに強く抗議するとともに、京都府が、政府の圧力に屈することなく、地域医療を守る立場に立った医療政策を進めるよう求めるなど、引き続き地域医療を守る運動に、住民とともに全力をあげるものである。

以上

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