新型コロナウイルスの感染拡大防止、府民の命と暮らしを守るために全力をあげよう!
―京都府の緊急事態宣言の対象区域指定にあたって―(談話)
2020年4月17日
京都自治体労働組合総連合
書記長 小林 竜雄
政府は4月16日、新型コロナウイルスのさらなる感染拡大を受けて、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言の対象区域を全国に拡大する発令を行い、先に発令した7都府県とあわせ京都を含む13都道府県を「特定警戒都道府県」と位置づけました。これを受け京都府は、17日午前に「対策本部会議」を開催し、「京都府における緊急事態措置」を発表しました。その概要は、京都府全域を対象に、(1)外出自粛の要請、(2)イベント自粛の要請、(3)施設の使用制限(休業)の要請等(社会生活を維持する上で必要な施設等除く)を、4月17日から5月6日までを期間に実施するものです。
知事を通じて行われるこれらの施策は、大きく府民の暮らしや営業に影響を及ぼします。特に、私権の制限は必要最小限にとどめること、要請や指示などについては、その科学的根拠、感染症対策の妥当性や有効性などについて、府民や直接対応業務にあたる市町村と職員に対し、必要な情報をすべて公開し、十分な説明と理解・協力のもとで実施することが求められます。
あわせて京都府は、休業要請等に協力した中小企業、個人事業主に対する支援給付金の創設(中小企業20万円、個人事業主10万円)を打ち出しました。政府が、「自粛・休業要請と一体の補償」を拒んでいるもとで、独自の補償を打ち出したことについては評価できるものの、感染拡大を抑えるために安心して休業できる水準とはなっていません。あらためて政府に対して「自粛・休業要請と一体の補償」の実施を求めるとともに、京都府独自の支援策の拡充を求めます。
感染症対策の第一線の現場の現状は、マスクや防護服も不足するなかで感染のリスクにさらされながら急増する患者を受入れている病院職場では「医療崩壊」の危機に追い込まれています。また、検査や相談など感染防止のために昼夜を分かたず対応に追われている保健所など公衆衛生関連職場も限界に達しています。さらに、保育所や学童保育、福祉や窓口など様々な職場で、府民の暮らしを支えるため、ギリギリの体制の中で職員が頑張っています。引き続く感染症対応や、今後具体化される府民への支援策の実施を担う人員などを含め、府民の「いのちを守り、暮らしを支援する」自治体の体制を緊急に強化するよう求めるものです。
今回の新型ウイルス感染症対策をめぐって、国と自治体の役割が問われています。命と暮らしを守る緊急対策とともに、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化も予測されるもとで、あらためて、この間の自治体病院や保健所の統廃合や公共サービスの産業化政策などを見直し、命や暮らしの危機に対応できる国と自治体づくりを求めます。
私たちは、感染症の拡大とその影響が深刻化するもとで、「住民の福祉の増進」を担う自治体労働者として、京都府民のいのちと健康を守り、働くものの暮らしと雇用、営業を守るために全力をあげることを表明するものです。