機関紙 - 東近江に今なお残る戦争の爪あと "戦争を始めてはならない"と痛感 〜女性部 秋の平和ツアー〜
女性部は、毎年、平和ツアーにとりくんでいます。今年は、11月28日に「滋賀県平和祈念館」や掩体壕(えんたいごう)がある滋賀県東近江市方面を訪れ、子どもを含む4単組34人が参加しました。
原爆投下の模擬実験があった!!
今回のツアーでは、地元の東近江平和委員会・真野正道さんに一日、案内してもらいました。30年来の運動で東近江市に2012年に開館した「滋賀県平和祈念館」。全国でも県立で平和祈念館があるのは、埼玉と滋賀だけとのこと。真野さんは、この祈念館の4人の語り部のうちのお一人。真野さんは、広島、長崎に原爆投下する前に滋賀県で模擬実験が行われ、犠牲者があったことや、子どもたちが、県内へ学童疎開させられたが、その目的は「児童の命を守るためではなく、将来の兵士を減らさないため」との証言があったこと。また、疎開から障害児などは外されていたことなど、滋賀県の戦時中の状況について詳しく説明されました。
その後、「あいとうふくしモール」の農家レストランで野菜たっぷりのランチをいただき満足。この「モール」は、高齢者、障害者関係など3法人が各種事業をし、併せて共同発電事業にもとりくんでいます。ちょうど一輪車をブースにした地元農家の野菜市を開催中で、楽しく買物もできました。
今も残る戦闘機避難の掩体壕
午後は、同市内の掩体壕へ。この掩体壕は、陸軍八日市飛行場の跡地に戦闘機避難壕ドームが未完成のまま残っているもので、地上戦に備えたものではないかといわれています。当時、土地所有者のもとに軍部が突如現れ、強制的に工事を始めましたが、終戦により中止。戦後、国に解体・撤去を求めたが応じられず、戦後70年間、時間が止まったままの風景でした。戦争は市民の財産をいや応なくとりあげ、後始末の責任も果たさない異常なものと思い、身震いするほどでした。
その後、近江八幡の古い街並み散策と有名なバームクーヘンのお店でスイーツのテイクアウトなどを楽しみ、学びとリフレッシュの一日が終わりました。
京都自治労連 第1861号(2015年12月5日発行)より