機関紙 - 賃金・雇用・経済は悪循環 アベノミクスの破たん明らか
削られる社会保障
安倍首相が政権に復帰して3年が経ちました。政権の目玉として大々的に宣伝された経済政策「アベノミクス」で日本経済はどうなったのでしょうか。
3月29日に成立した2016年度予算は、軍事費が5兆円を超えて過去最大となり、大企業減税や来年4月からの消費税増税が盛り込まれた予算となった一方で、高学費問題、保育所不足をはじめ、国民生活と切り離せない社会保障費は実質的に削減されました。安倍政権の下で全世代の暮らしが脅かされています。
「アベノミクス」で円安や株高、大企業減税などで大企業が利益を増やしても、実質賃金の4年連続マイナスに見られるように、労働者の賃金や雇用にはまったく回らず、消費は低迷したままです。今春闘で大企業は昨年の実績に及ばない賃金引き上げしか回答していない状況です。
消費税増税で冷え込む景気
4月1日で消費税が8%に引き上げられて2年。「消費税増税分は社会保障の財源に充てる」とされたものの、蓋を開ければ増税後は年金支給額の実質削減、社会保険料の引き下げなど、社会保障は削られる一方で、増税分は法人税減税の穴埋めに使われているのが実態です。
安倍首相は、来年4月から10%へと消費税を引き上げようとしていますが、一昨年の8%への増税による消費の落ち込みは長引くばかり。「アベノミクスがうまくいけば増税の影響は一時的」との言葉にもはや説得力はありません。雇用分野を見ても、この3年間で正規雇用は36万人減少、非正規雇用が167万人増加し、非正規雇用比率は35・2%から37・4%へと上昇しました。「アベノミクス」は完全に破たんしています。
賃上げと正規雇用拡大で労働者・国民の懐をあたため、内需拡大を行うことが求められています。
京都自治労連 第1869号(2016年4月5日発行)より