機関紙 - 「地方創生」は、暮らしより企業優先 交付金で地方誘導
小規模自治体切り捨て
安倍政権は、「地方創生」を掲げた5か年計画(2015〜19)「長期ビジョン」と「総合戦略」を決定。ほとんどの地方自治体が3月までに「総合戦略」と「人口ビジョン」を策定しました。16年度からは各自治体で「地方創生」事業が本格実施されます。
地方創生の狙いは、「選択と集中」による小規模自治体切り捨てを行い、公共サービスの産業化をおしすすめ、道州制に道を開く国家再編計画といえます。
地方創生の推進の方法は、「交付金」による誘導政策です。15年度補正予算で「地方創生加速化交付金」(1000億円)、16年度予算で「地方創生のための新型交付金」(1000億円)、「まち・ひと・しごと創生事業」(1兆円)などです。
すでに京都府内では、「交付金」を活用した北部5市2町の「京都北部連携」構想や、南部の「第2名神」、学研都市でのさらなる開発、京都市内でのまち壊し・大型開発などが具体化しています。
しかし、問題も少なくありません。「地方創生加速化交付金」として、府内では82事業、23億円が交付されました。ところが、乙訓3市町の事業が不採択となりその理由も明らかにされず、「選考基準は不透明」「国の意向に沿った事業しか認めない」「誘導的な交付金」とマスコミからも批判が出ています。
民営化競わすトップランナー方式
また、総務省が16年度地方財政計画の中で、交付税に「トップランナー方式」を導入したことも大問題です。32業種を対象に、16年度では学校用務、本庁舎などの清掃など16業務を対象に、民営化すればするほど地方交付税が増える仕組みを導入しました。これは、地方交付税の本旨を変質させる地方自治への重大な介入です。
京都自治労連 第1874号(2016年6月20日発行)より