機関紙 - 独自性を発揮し賃金底上げに貢献を 〜民間労働組合が府・京都市人事委へ申入れ〜
8月30日、京都の民間賃金や地域経済に大きな影響を与える府と京都市の人事委員会勧告が間近に迫るなか、京都地方労働組合総評議会(議長:岩橋祐治)は、京都市人事委員会と京都府人事委員会へ申し入れを行い、「人事院勧告に追随せず、賃金底上げに資する立場から独自性を持って勧告を」と強く求めました。
申入れで岩橋議長らは、「労働基本権の代償機関の人事院が、一方的にマイナス勧告などあってはならない」「今年の春闘で民間は、必死で賃上げを勝ち取ってきたのに、どうして人事院が足を引っ張るのか」「国民的運動で最低賃金の20円アップを勝ち取った。賃金の底上げをしようとしているのに、マイナス勧告は冷水をかけるようなもの」とマイナス勧告の問題点を厳しく指摘し、人事委員会の独自性を発揮し、マイナス勧告を行わないよう強く求めました。 また、参加した民間の労働組合員からは、「京都の福祉職場はほとんどが民間でも賃金は人勧準拠。マイナス人勧は賃金引下げにつながる。今の福祉職場の実態は、平均勤続年数が3年。厳しい労働の実態と低賃金の中で希望を失い退職者があとを絶たない。技術や知識が蓄積されず大きな問題になっている。今年下がればさらに悪化する」(福祉保育労) 「代償機関の役割を発揮し、低きに流れるのをくいとめてほしい」(JMIU) 「医療の職場も多くが人勧準拠。マイナス人勧は、即、賃下げにつながる。府の職員も頑張っている。我々も後押しをする」(京都医労連)など、マイナス人勧が民間職場の賃金や労働条件に与える影響が語られ、人事院追随ではなく独自性を持って勧告を行うよう強く求めました。 対応した府と京都市の人事院事務局は、それぞれ、申入れの趣旨は人事委員に伝えるなどとしました。 京都自治労連 第1735号(2010年9月5日発行)より