機関紙 - 安全・安心を子どもたちに市直営校給食の現場から 〜宇治市職労給食分会の皆さん〜
宇治市は昨年3月、3校の給食を提供していた委託業者の倒産で新学期から給食が出せない状況になりました。教育委員会は、市直営校から調理員を送り、業者が決まるまでの間、給食を提供。今回取材した宇治市立槇島小学校給食調理員のFさんはその危機を救ったメンバーです。Fさんを中心に調理員の皆さんに仕事への誇りややりがいを伺いました。
子どもの「おいしい」の一言がうれしい
「ここでは、3回洗った食材を調理場に持ち込んで、切る前にもう一度洗います」とGさん。大きな3つのシンクを指差して調理の流れを説明してくれました。槇島小学校では5人で600食を毎日提供。持ち場も事前に打合せて交代でこなせるようにしています。
「中には食べるのが遅い子もいて、後から食器を持って調理場に来るのですが、『今日は全部食べられた。おいしかった』って言ってくれる。この一言がうれしい」と調理員のHさん。一通りの作業が終わると給食業務日誌、翌日の調理打合せ。給食委員会や直営校合同の会議・打合せなど事務仕事。同じく調理員のIさんは、先生、栄養士、調理員が一緒のテーブルで学校給食について議論する宇治市の給食委員会をはじめとした制度がすばらしいと話します。「直営校のいいところのひとつです」と。直営校合同の会議に参加しているJさんは「食材仕入れの選定では、大量調理ならではの食材選びがあり、現場の声を活かします。他校の先輩調理員のアドバイスは勉強になります」。
いつもと変わらず子どもたちに安心を
4月6日に教育委員会から応援依頼があり各校から調理員が集まりましたが、調理場をみて愕然としたとFさんが話します。「家庭用のサランラップや小物が散乱し、洗剤もどこのものかわからないもの。配水管のふたはないし…」。これでは安全な給食は提供できないと、掃除、洗浄をやり直し、洗剤や調理小物などは取替えました。「連日、遅くまでかかって設備・資材を整え何とか4月12日からの給食開始に間に合わせました」。軌道に乗れば直営校同士の連携で800食の給食が提供できます。「仲間の協力で給食を提供できた。子どもたちが『今までで一番おいしい給食だった』といってくれたのがうれしい」とFさん。直営校の調理員の高い技術と ?心意気”を感じるインタビューとなりました。
京都自治労連 第1911号(2018年1月5日発行)より