機関紙 - 8時間働けば、安心して暮らせる賃金と働くルールの確立を! 〜京都自治労連2018春闘アンケート〜
京都自治労連2018春闘「働くみんなの要求・職場アンケート」は、17単組から正規・再任用職員3972人、臨時・非常勤嘱託職員1036人、計5008人から回答が寄せられました。
春闘アンケートは、職場や生活に係る実態や要求を明らかにし、「要求で団結してたたかう労働組合」の運動の土台となります。5年連続の賃上げ実現、人員要求の前進に向けて、組合の仲間を増やす春の組織拡大運動ともつなげ、職場を基礎にした取り組みをすすめましょう。
■生活実態と賃上げ要求 〜4年連続の賃上げも厳しい実態明らかに〜
現給保障終了で厳しさ増す
この間、「すべての労働者の賃上げで景気回復」をめざした官民一体の運動の前進で、4年連続の賃上げを勝ち取ってきていますが、生活実態では「かなり苦しい」「やや苦しい」への回答が過半数を占め、依然として厳しい状況にあります。
また、昨年との賃金比較では「増えた」が減り、「変わらない」が増えました。要因として「給与制度の総合的見直し」の現給保障による影響が考えられますが、この3月末で多くの自治体で現給保障が打ち切られ、賃下げになる職員が出る自治体もあります。
賃上げを勝ち取ってきたとはいえ、生計費に基づく改善につながっておらず、生活できる賃金要求を強めることが必要です。
生計費に基づく賃金改善要求を
正規・非正規ともに負担項目・節約項目への回答に大きな違いはありませんが、家計負担では「住宅関係費」「食費」「子どもの教育費」が、節約項目では「食費」「被服費」「教養・娯楽費」がいずれも不動のトップ3に。
賃上げを求める声は、「賃金・一時金の引上げ」63・3%との回答に見られるように労働条件改善の中で断トツです。2万円以上の賃上げ要求が全体の8割に迫っており、京都自治労連が春闘で掲げている「誰でも月額2万円以上の賃上げ」への要求を裏付けるものといえます。春闘を起点にした官民一体となった賃金闘争を強め、これまで以上の賃上げサイクルを作り出すことが求められます。
■労働実態と職場要求 〜業務量が増える一方で、人員不足は深刻に〜
職場訪問・対話で、サービス残業、長時間労働なくそう
働き方にかかわって、残業実態は月平均で10時間未満との回答が4割と最も多くなっていますが、100時間を超えるとの回答も寄せられています。また、サービス残業の実態は4割が「ある」と回答し、その理由に「申請しづらい雰囲気がある」「仕事の責任がある」が挙げられていますが、仕事の責任とサービス残業は別の問題です。
職場実態は、「人員不足」を訴える声が7割に迫り、業務量は「個人」「職場」ともに増えていると6割が回答しています。健康問題で「疲れを感じない」と答えたのはわずか2%以下です。多くの職場で人員不足を抱える中、同時に業務の質や量が求められ、心身ともに常に緊張した余裕のない状況であることが分かります。
長時間労働の実態把握、人員要求につなげる運動としていっせい職場訪問の取り組みを呼びかけています。この運動とあわせて「業務量に見合った適正な人員配置」「厚労省ガイドラインの徹底」「PC等による客観的な超勤時間把握」「すべての職場での36協定締結」などを求めましょう。
職場・業務に見合う人員確保を
職場要求をみると、「人員増」39・1%、「年休取得促進」32・7%、「人員配置・人事異動の改善」24・5%、「業務量削減」22・0%に要求が集中しています。休暇は心と体の健康を維持し、リフレッシュするためにも必要です。年休取得について、「仕事が忙しく休める状況にない」「休める職場・職員体制にない」との回答が6割を超えていることから、人員増・配置改善や業務量の削減・見直しは職場の根強い要求といえます。
■非正規職員の生活・労働実態と職場要求 〜「賃金改善」と「雇用の安定」が二大要求に〜
賃上げ続くも生活実態は厳しく
生活実感は「かなり苦しい」「やや苦しい」をあわせると54・3%に、昨年との賃金比較では「増えた」が5ポイント減の18・9%、「変わらない」が8ポイント増の68・2%に。この間、賃上げをはじめ処遇改善を勝ち取ってきていますが、厳しい生活実態を反映する結果となりました。
賃上げ要求では、それぞれ「月額3万円、日額1000円、時間額400円以上」への回答がトップに。最低賃金の引上げを求める取り組みをはじめ、生計費に基づく賃金改善を求める運動を強めましょう。
職場での不安について、「賃金が安い」43・9%、「正規との賃金格差」30・8%、また「契約更新されないのでは」40・4%、「職場や仕事が無くなるのでは」28・1%と、「賃金面」と「雇用面」の2つに回答が集中しています。
このことは職場要求にも強くあらわれています。賃金関係では「賃上げ」61・3%、「ボーナス支給」49・1%、「退職金導入」22・1%、「経験給導入」18・7%、雇用関係では「雇用の安定」34・7%、「雇用期間の延長」18・4%、「正規職員化」14・4%となり、臨時・非常勤嘱託職員の要求の大きな柱は、賃金改善と雇用安定の2つにあるといえます。
声集め、仲間ふやし、処遇改善へ
2020年4月から「会計年度任用職員制度」が施行され、現在の臨時・非常勤嘱託職員の働き方が大きく変わります。同時に自治体や公務労働のあり方そのものが問われる課題でもあり、正規職員にとっても重要な課題となります。
この間、単組が取り組んでいる制度説明会や懇談会では「雇用は継続されるのか」「賃上げも大事だが雇用が確保されてこそ」等の意見が出されています。「任期の定めのない常勤職員を中心とした公務運営」を基本にすえながら、制度移行にあたり、任用根拠の見直しで雇い止めや現行水準を下回る労働条件とならないよう、雇用の継続・確保をはじめ、法の趣旨である「処遇改善」につなげる取り組みが必要です。
18春闘期から、制度説明会や職場懇談会、学習会などに取り組み、要求書の提出、当該職員の組合組織化など自治労連が提起する「正規・非正規つなぐアクション」の運動をすすめ、春闘アンケートに寄せられた賃金改善と雇用安定の要求前進に向けて力をあわせましょう。
京都自治労連 第1916号(2018年3月20日発行)より