機関紙 - 知事会 全会一致で地位協定見直しを提言 深刻な実態と世論の高まりが背景
7月27日、札幌市で開催された全国知事会議(会長・上田清司埼玉県知事)で、日米地位協定の抜本的改定を含む「米軍基地負担に関する提言」が全会一致で採択されました。同会が、日米地位協定の改定を提言するのは初めてで、画期的なことです。
地位協定の問題、京都でも明らか
今年5月に起こった、米軍のドクターヘリ運航のためのレーダ停波拒否問題は、府民のいのちにかかわる重大問題です。今回の問題以外にも、米軍住宅問題、発電機騒音問題、多発する交通事故、レーダ基地拡張工事に関する約束違反など、米軍・防衛省と府や周辺自治体との約束違反は枚挙にいとまがありません。
日本では、沖縄をはじめ米軍基地が戦後70年以上置かれ、国民の命と人権が蹂躙され続けてきました。「なぜ、米軍は約束を守らないのか」「あまりにも住民をなめている」との怒りの声が上がっています。その大本には、日米安保条約と日米地位協定があります。
全国知事会議の提言は、2016年7月に翁長沖縄県知事の要望で設置が決まった「全国知事会米軍基地負担に関する研究会」が出発点。提言では、?米軍低空飛行訓練ルートや訓練を行う時期の速やかな事前情報提供 ?日米地位協定を抜本的に見直し、航空法や環境法令など国内法を原則として適用させること ?事件・事故時の自治体職員による迅速で円滑な基地立ち入りの保証 ?騒音規制措置の実効性ある運用 ?米軍基地の整理・縮小・返還の促進―を求めています。
日米地位協定の下で蹂躙され続けている住民の権利をこれ以上無視できない実態と、広がる“米軍基地いらない”の運動と世論、そして、辺野古新基地建設に反対の沖縄県民をはじめとするたたかいの力でもあります。
京都自治労連 第1925号(2018年8月5日発行)より