機関紙 - 欺瞞に満ちた政府に怒り広がる 北部自治体学校に住民など100人参加 〜原発事故―新規制基準と京都北部の住民避難を考える〜
10月13日、「原発事故―新規制基準と京都北部の住民避難を考える―」と題して、北部自治体学校が舞鶴市舞鶴西総合会館で開催され、自治体労働者や北部地域の住民など約100人が参加。講演は、京都自治体問題研究所副理事長の池田豊さんと日本科学者会議会員・原子物理学の市川章人さんが行いました。
事故直後の自治体から学ぶべき
『住民避難はなぜ自治体責任なのか、国際基準と福島原発事故が示すもの』と題して講演を行った池田さんは、住民避難の課題を考えるときに、2773日(7年半)前の福島で何が起きたのかを原発からではなく、立地自治体から考えることが必要と強調し、「原発事故については、政府と原発でどのような動きがあったのかは、これまで度々検証されてきたが、原発立地自治体は何をしていたのかについては、ほとんど検証されていない。住民避難を考える場合、そこに私たちが学ぶ教訓がある」として、原発事故直後からの事故の進行状況、政府の対応、立地自治体(大熊町、富岡町)の対応の3つの分野の24時間の動きをまとめた一枚の表を基に、見えてくる様々な問題点について報告を行いました。
ブレーキ離し、アクセルの規制委
『原発事故の?特殊性?、および若狭原発群の新たな問題』と題して講演を行った市川さんは、原子力発電所の再稼働をことごとく認可する原子力規制委員会について、「ブレーキを離し、アクセルを踏む規制委員会」と厳しく批判。その背景には、住民の願いを反映した司法判断の出現に危機感を持った規制委員会が、『実用発電用原子炉に係わる新規制基準の考え方について』という361項目の欺瞞的文書を作成し、対応していることを明らかにしました。
そして『考え方』は、「原発事故の?特殊性?を無視している」ところに大きな特徴があり、?特殊性?無視の害がいたるところに及んでいるとして、「住民避難計画を原発の認可要件に入れず」「原子力災害を一般災害と同列扱い」などの危険性を指摘。この『考え方』を根拠に、「運転差し止め」仮処分決定の取り消しが相次いでいるなど、司法の主体的判断をこれまで以上に弱めていると強く批判しました。
参加者からは、「事故直後の原発、政府、自治体の動きに大きなずれがあることに驚いた」「具体的で分かりやすい話、原発ありきの理論の危険性がよく分かった」など、たくさんの感想が寄せられました。
京都自治労連 第1930号(2018年10月20日発行)より