機関紙 - 京丹後米軍レーダー基地の軍事的役割が一層強化 〜住民のいのち・権利脅かす基地はいらない〜
10月16日、神奈川県相模原市ある米軍相模原総合補給廠に、陸軍防衛作戦司令部が新たに発足しました。新たな司令部の配備は、アジア地域を重視する米軍が、日本をミサイル防衛・核戦略の拠点としての重要性を一段と強化するものであり、京丹後市の経ヶ岬Xバンドレーダー基地などの役割が高まっていると言えます。
米軍ミサイル最前線司令部発足
相模原補給廠に発足したのは、米陸軍第38防空歩兵旅団司令部。日本に駐留する嘉手納基地のパトリオットミサイル大隊、経ヶ岬(京都府)と車力(青森県)両Xバンドレーダー通信所の中隊を指揮・管理下に置くとみられています。人員体制は115人。日本に最前線司令部を置くことで、より迅速な迎撃判断を行うとともに、中国などをけん制する狙いがあるとされています。
また、安倍政権の下ですすむ、ミサイル防衛システムの強化、イージスアショアの新たな2台配備、海上自衛隊のイージス艦4隻の新たな造設(計8隻)が米軍のミサイル防衛と連携することは明らかです。
京丹後市では、米軍ミサイル防衛への経ヶ岬レーダー基地の役割が今年になって一段と明らかになり、大きくなるにつれて、地域住民の命や健康・安全よりも、米軍の軍事優先の姿に怒りの声が広がっています。
住民の命より米軍優先次々と
5月のドクターヘリ運航のためのレーダー停波要請を拒否したことや、「土・日は米軍基地の工事を行わない」との約束を平気で破り、再三の抗議にもかかわらず工事を強行したことなどが大問題となりました。
さらに、7月に米軍関係者が京丹後市峰山町で道路脇の電柱に激突し、電柱が大きく破損する交通事故を起こしました。しかし防衛省は、米軍関係者の事故であることは認めましたが、詳細については全く公表していません。過去の60件を超える交通事故の情報を府などに速やかに提供してきた防衛省のこれまでの対応と大きな違いです。
京都府は、10月2日に防衛省に抗議するとともに、速やかに公表するように求めていますが、いまだに情報提供はありません。
住民との約束を平気で破り、平和に暮らす権利、命や健康よりも軍事を優先する米軍基地は、京都にも沖縄にも、全国どこにもいりません。
京都自治労連 第1931号(2018年11月5日発行)より