機関紙 - つくってよかった入ってよかった労働組合 〜組合結成20周年 精華町臨時職員労働組合〜
たたかってこそ要求は前進する
長く働けたのも組合があったから
精華町の嘱託職員・臨時職員の仲間で組織されている精華町臨時職員労働組合(以降、精華臨職)が、昨年10月で結成20周年を迎えました。精華臨職の役員を長年されてきたIさん、Jさん、Kさんを訪ねました。
いつも雇用不安を抱え、働いていた
組合結成当時について、Iさんは「当時の雇用は1年契約。いつも雇用不安を抱えて働き、何年働いても給料は上がらず、年休は繰り越しができなかった」、保育所では「子どもの年度途中退所が出て、保育士の配置が基準を超えると、嘱託職員が退職させられていた」と当時を振り返ります。
働く者の権利や労働組合のことについて、精華町職の役員や弁護士、すでに組合を立ち上げていた三和町臨職組にも来てもらって、学習会に取り組みました。学習する中で、私たちにない権利が、実は当然認められるべき権利であることを知り、組合結成への決意を固めました。
精華臨職は6人で出発し、20人になった時に結成総会(1997年11月)を開催、公然化しました。
勉強しないと権利や労働条件守れない
ドキドキしながら初めて臨んだ要求書の提出には、町長も出席。町の担当者の対応は「上から目線で、こちらが何も知らないと思って、行政用語や法律用語を多用し、丁寧に説明しようという態度には思えなかった」とJさんは言います。腹立たしく思うと同時に、「しっかり勉強しないと、権利や労働条件を守れない」ことを痛感しました。
それから要求書討議には、要求の一つひとつがいかに正当で、道理ある内容なのかの学習に力を入れ、交渉に臨みました。
そのかいもあり、20年間で、嘱託職員の連続雇用や経験年数加算、年次有給休暇の繰り越し、さらに病気休暇、結婚休暇、特別休暇も、正規職員と同等に前進。また、産休・育休、介護休暇も取得しています。
要求前進の中で次々と新しい仲間
現在、組合員は60人。しかし、はじめから新しい仲間がどんどん増えたわけではありません。組合に入ると、「所長ににらまれる」など、組合加入に尻込みがありました。
しかし、要求が次々前進すると組合加入もすすみ、保育所の嘱託職員は全員加入にまでなりました。「臨時職員の仲間にも、もっともっと広げていきたい」とKさんは言います。
これまで気がかりだった次の世代への役員のバトンタッチも、「やってもいい」という仲間が出てきて、すすんでいます。「本当にうれしい」と3人の笑顔がこぼれました。
「20年前、こんなに長く働けるとは思ってもいなかった。組合をつくってみんなで頑張ってきたからや」―3人の言葉に実感がこもります。
「今年は会計年度任用職員制度の問題もあり、私たちの力量も問われる。働きがいある職場へ、みんなで力合わせさらに頑張りたい」。20年の運動を確信に、精華臨職の新しい年が始まります。
京都自治労連 第1935号(2019年1月5日発行)より