機関紙 - 京 深層水
「統計は、景気や国民の暮らし、それに関わる政策判断の土台となるもの、大変重要な役割を持っています。ぜひご協力をお願いします」。今から30年ほど前、府の統計課に所属していた時にこう言って、事業所や府民にお願いしていたことを思い出す。
今、毎月勤労統計調査など国の基幹統計調査に対する国民の信頼が大きく揺らいでおり、公務員にとっても賃金構造統計基本調査に基づく地域手当への影響が明らかとなっている。
統計が実態を正確に掴まないということは、その統計結果に基づいて実施される施策は的を外れたものにならざるを得ない。その的を外れた施策によって出来上がった実態を統計がまた正確に掴まずに、また的を外れた施策を展開する、といった悪循環に陥ってしまう。
誤った統計結果に基づく景気判断は誤っており、それに基づく政策判断としての消費税率引き上げは、当面延期をする。少なくともそれが政をする者の責任ではなかろうか。(F)
京都自治労連 第1937号(2019年2月5日発行)より