機関紙 - 介護保険業務の集約委託・130人の嘱託員雇い止め "撤回しかない!" 怒りの声次々
1月25日、京都市が介護保険認定給付業務を集約して民間企業に委託し、嘱託員130人を雇い止めする問題で、白紙撤回を求める緊急市民集会が160人の参加で開催されました。「撤回しかない!」の声が次々出され、熱気あふれる集会になりました。また集会では、「雇い止めごめん!市は介護に責任をもて!市民の会」の発足が確認されました。
雇用主責任、介護保険への責任放棄の京都市
昨年12月、京都市は、京都市職労民生支部との団体交渉において、介護保険の認定給付業務を2020年4月に本庁に集約化のうえ民間企業に委託し、介護保険制度発足時からこの業務に携わってきた方も含め130人の嘱託員を雇い止めすることを突然提案してきました。雇い止めされる嘱託員の仲間や介護保険の利用者と家族、介護事業者など、市民の中に大きな怒りと不安が広がっています。
集会では、京都市職労民生支部書記次長のAさんが基調報告を行い、京都市の方針が雇用主としての責任を放棄するとともに、雇用主としての責任と介護保険への公的責任を放棄するものだと厳しく批判。問題点として、?区役所に訪問調査員がいなくなり、緊急の認定調査に応じられなくなる、?市として、認定の個々の進捗状況を管理できない、?委託先が代わる度に業務が混乱する―などを指摘しました。
介護を支えてきた職員は市民の財産
各分野からの発言では、「利用者・家族の急な相談や手厚いサービスが必要なとき、区役所に相談に行く。訪問調査では、できないことを?できる?と答える人もいる。経験を持った人が窓口からいなくなると、とても不安。施設や事業所には死活問題」(介護業者)、「家族も混乱しているので、区役所での丁寧な対応が必要。訪問調査でのきちんとした判定が必要だが、名古屋の話を聞くと恐ろしい」(利用者・家族)、「介護職員の雇い止めは、民間でいえば整理解雇だが、整理解雇には要件が必要。今回は、その要件には何一つ当てはまらない。これまで介護保険制度を支えてこられた嘱託員の皆さんは、京都市民の財産だ。それを民間にわたす投げ売りは絶対に許せない」(民間労組役員)など、怒りの発言が相次ぎ、?必ず白紙撤回を?と心ひとつになる集会となりました。
しわ寄せは市民に
先行して委託された名古屋市では、認定が2〜3ヵ月先に:名古屋市職労 Bさん
委託後、認定の遅れが顕著になり、委託先に問い合わせたが、「『そのうち届くので』と答えてください」と言われ、愕然とした。認定に2〜3ヵ月かかる。要介護度を決めるもととなる大切な資料が、とてもずさんな状態で審査会にかけられている。市も委託先もだれも責任をもたない状況。そのしわ寄せは市民にいっている。
少しでも多くの市民の助けにと、毎日がんばっている:北区役所嘱託員 Cさん
トータル19年、区役所の介護保険認定給付事業に携わってきた。業務マニュアルにはボロボロになるほど書きこみ、異動先にも持っていく。ここには、私たちの嘱託員の積み重ねた経験とノウハウ、業務に対する誇りがびっしり詰まっている。雇い止めはどう考えても納得できない。民間委託集約は、市民サービス低下につながる。
京都自治労連 第1937号(2019年2月5日発行)より