機関紙 - 京丹後米軍基地 あきれた約束破り 住民より米軍第一 〜防衛省 米軍交通事故の詳細公表を撤回〜
京丹後の米軍人・軍属が起こした交通事故について、昨年2月4日以降、事故が起きても防衛省から全く報告がありません。国会で岩屋防衛相は、「今後は件数のみを報告」と方針転換したと答弁。この問題について、京都平和委員会の片岡明さんにお聞きしました。
許されない府と京丹後市の姿勢
Q 今回の「米軍交通事故の詳細公表約束の撤回」とはどのようなことですか?
A 防衛省と米軍は、京丹後への米軍基地開設にあたって、府や京丹後市、住民との間で「集団居住し、バスで通勤する」などの様々な「約束」をしてきました。そのうちの一つに、米軍関係者の交通事故については、「『軽微な自損・物損』を含め、全て詳しく府と市に報告する」としてきました。
しかし、昨年2月4日の事故を最後に、事故がおきていても、報告が全くなくなりました。防衛省や米軍はこの間、再三にわたる住民や府、市などからの問い合わせにも全く答えませんでした。昨年だけで14件の事故があったことが分かったのも、府議会での府警の答弁からであり、防衛省と米軍の約束破りは許せない暴挙です。
また、今回の一方的な米軍の意向を受け入れた府や京丹後市の姿勢は許されるものではありません。事故の詳細が分からないのに、どうやって、事故対策を取ることができるのでしょうか。
現在、米軍の部隊再編や異動により、短期の勤務者が多くなるもとで、安全運転指導が徹底されているのか疑わしい状態が現にあります。今回の件で、交通事故防止の戒めがさらに緩むことになるのではないでしょうか。
軍事的緊張高める一方、市民軽視
Q 米ミサイル防衛システムの新たな展開と、京丹後の米軍基地の現状は?
A 米本土防衛の早期警戒レーダーの配置や新型の迎撃ミサイル発射試験を繰り返すなど、ミサイル防衛体制が強化される中、京丹後市におかれた米軍Xバンドレーダーも改良が重ねられています。このことは、北朝鮮からミサイルが発射されなくなって1年以上が経過してもなお、軍事的な緊張を高めています。あらたに巡航ミサイルや超音速滑空ミサイルに対抗する任務が過重になるなかで、日常的な生活面における「些細な事」を軽視する傾向にあるのではないでしょうか。
求められる安全を守る毅然とした立場
Q 府と京丹後市に求められるものは?
A 地元住民の代表をはじめ、府や京丹後市が出席する「米軍経ヶ岬通信所の設置に係る安全・安心対策連絡会(安安連)」は、米軍基地司令と防衛局が主導しているとはいえ、全国的にも先進的取り組みです。
それだけに自治体が、住民の安全を守る姿勢を貫き、よりよい方向へ改善を求め、粘り強く対応することが求められています。府と京丹後市は、米軍基地がおかれている自治体だからこそ、住民の安全を守る立場に立って、きっぱり「容認できない」と主張すべきです。
年度 | 2018 | 2017 | 2016 | 2015 | 2014 |
事故件数 | 14 | 16 | 17 | 11 | 14 |
京都自治労連 第1941号(2019年4月5日発行)より