機関紙 - 不当解雇は許さない 日航 大晦日に165人の首切り 政府・日航の責任を労働者に押し付け
日本航空は、12月31日の大晦日にパイロットと客室乗務員165人の整理解雇を強行しました。このような暴挙を断じて許すわけにいきません。中央委員会での丸山氏の訴え(概要)を紹介します。
解雇の理由はない
航空労組連絡会
丸山伸弥事務局次長
日本航空は、昨年1月19日に経営破綻し8月31日に会社更生計画案を裁判所に提出し受理されました。計画では、国際線・国内線の儲からない路線を切る、パイロットや客室乗務員、整備等の労働者をグループ全体で1万6千人を切り、3万2600人の事業規模にするというものです。
日本航空は、パイロットと客室乗務員1500人の削減目標に対して、すでに1773人が希望退職に応じています。また、営業利益も4月〜11月に1460億円も出しています。解雇する理由は全くありません。今回の件は、「整理解雇の4要件」に照らしても認められません。
なぜ日本航空が経営破たんしたのか
第一に日本政府の責任が鋭く問われています。1990年、赤字に苦しむ米国を助けるために日米構造協議で日本から米国に金が流れる仕組みをつくった。細川内閣の下で430兆円もの公共事業を約束、その後630兆円に膨らんだ。ここから始まっています。
航空業界が受けた影響は、燃費の悪い747ジャンボジェット機を113機も購入(世界に例が無い台数)。そして、全国各地に採算を度外視して空港を建設、日本には98の空港があります。そのために日本航空は、黒字路線の利益を赤字路線維持のために使わざるを得なかったのです。
赤字の第二の原因は、リゾートホテル、ドル建ての先物取引の失敗、リニアモーターカーの開発事業など日本航空の乱脈経営・放漫経営にあります。
赤字の原因になったこれらの事は、労働者には全く責任がありません。今回の解雇は、こうした責任を労働者に押し付けようとしているのです。
人員の削減で安全が削られる
この間のやり取りでの日本航空当局の姿勢は、私たちが一生懸命支えてきた安全とか利便性とかは全く度外視しています。
いま日本航空の職場では、パイロットも客室乗務員も整備もベテランが退職しギリギリの状態です。我々には、国民に安全を保障し目的地まで運ぶ責任があります。それを全うするためには、それを保証する労働条件が必要です。
日本の労働者を守るたたかい
今回のたたかいは、日本航空だけではなく日本の労働者を守るたたかいでもあります。日本の企業が自由に首を切ることが出来る仕組みをつくらせない大義があります。
財界や大企業は、正社員でも派遣労働者のように自由に首切りが出来ることを日本航空を皮切りに狙っており、国民的意義からも「不当解雇撤回」を勝ち取ることが必要です。そして、アメリカ言いなりで日本航空を破綻させた政府の責任を明らかにさせるたたかいです。みなさんの大きなご支援をお願いします。
京都自治労連 第1744号(2011年1月20日発行)より