機関紙 - 参議院選挙で何が問われるのか(3) 9条改憲許さない…同じ過ちを繰り返すな
「早期の憲法改正をめざす」―。参議院選挙で自民党・安倍政権が「6つの重点項目」の一つに掲げた公約で、「自衛隊の明記」などの4項目を提示しました。
最大の目的は憲法9条の改定。その実現のために「憲法改正原案の国会提案・発議を行い、国民投票を実施する」としています。
米軍とともに世界で「戦争するための国づくり」許すのかどうかが、参議院選挙で問われている大きな争点の一つです。
海外での無制限の武力行使可能に
自民党の9条改憲案には、二つの大問題があります。
一つは、9条2項の後に「前項の規定は…自衛の措置を取ることを妨げない」として、自衛隊の保持を明記していることです。戦力不保持の交戦権を否認した2項の制約が、自衛隊に及ばず、2項が「死文化」します。海外での無制限の武力行使が可能になってしまいます。
もう一つは、自衛隊の行動を「法律で定める」としている点です。時の政府や多数党の一存で法律を策定し、自衛隊の行動を無制限に拡大できるようになってしまいます。これほど危険なことはありません。
過ちを繰り返してはならない
かつて、絶対主義的天皇制政府は、侵略戦争に国民を総動員するために、住民のことをよく知っている府市町村に兵事係を置き、職員に徴兵対象者の家族構成や職業・特技、思想、健康状況、交友関係など、ありとあらゆる情報をつかんで軍に提出させ、住民を戦場に送る役割を担わせました。
昨年、防衛大臣から市町村長あてに自衛隊員募集への協力要請があり、少なくない自治体で18歳と22歳になる住民の名簿などが提供されました。今年も防衛大臣から協力要請が送られています。
憲法9条改悪を許せば、戦前と同じ過ちを繰り返すことになりかねません。改憲勢力に、きっぱり審判を下しましょう。
京都自治労連 第1946号(2019年7月5日発行)より