機関紙 - 住民の知らない間にすすむ…京都の水道事業の広域化・民営化
安倍政権のもとで全面的な公共サービスの産業化が推進され、水道では昨年12月の水道法の改正により、全国で広域化・民営化の動きが急速に進んでいます。京都府では、昨年11月に「京都水道グランドデザイン」が策定され、京都府が「推進役」となり、府域を北部・中部・南部の3つの圏域に分け、圏域ごとに協議会を設置し広域化・広域連携を進めることされ、現在、圏域ごとに市町村水道事業連絡会議での議論が進められています。
拙速な広域化・民営化
北部では、10年先までのスケジュールを示し、5市2町の上下水道組織で民間委託を含む共同事業の実施、次の段階での経営統合、官民連携による企業団設立、最終的な料金統一などの具体的な議論がすすめられ、この9月議会で舞鶴市、宮津市では窓口業務等の共同委託のための債務負担行為提案が可決されています(与謝野町では個人情報の民間流出への危惧や拙速な手続きへの批判から9月議会で否決)。また、南部でも、8月に、府営水道事業経営審議会による府営水道利用自治体での料金平準化案が示され、広域化への議論もはじまっています。
住民の「命の水」に関わる重大な問題について、住民や職員に対するまともな説明も議論もなく、目先の効率性や採算性重視で拙速な広域化や民営化を進める動きを見過ごすことはできません。
12月1日に水道問題で学習会
水道事業については、施設の老朽化、後継者不足、人口減少と水需要の減少など共通の深刻な課題を抱えており、独立採算(料金収入)での現状の事業継続に限界があることも事実です。だからこそ、住民に必要な情報をすべて開示し、住民が地域の水道の実情を知り、営利を目的としない国や自治体が責任を持って維持改善するためには何が必要かなど、住民とともに議論することが必要です。
12月1日(日)には、水道の広域化・民営化問題をテーマに、与謝野町(知遊館)で「北部自治体学校」を開催し、住民とともに水問題を学び考えます。多くの皆さんのご参加をお待ちしています。
京都自治労連 第1954号(2019年11月5日発行)より