機関紙 - 宇治市非常勤労組5人にインタビュー…組合をつくってほんとうによかった
「安心して働き続けたい」の願い集め、5人から36人へ
宇治市非常勤職員労働組合が結成されたのは2018年12月。組合員5人から出発し、1年間で36人に大きく拡大。昨年10月〜11月には、「会計年度任用職員制度」問題で交渉を重ね、要求を一定前進させ、非正規職員間での存在感を増しています。結成当時の5人の皆さん(執行部)を訪ねました。
「会計年度」問題で要求前進"ありがとう"の声がうれしい
委員長のAさんに、組合結成から1年、現在の心境をお聞きすると「労働組合を結成して本当によかった。心からそう思います」との言葉、みんなが笑顔でうなずきます。
「会計年度任用職員制度」問題の交渉には、何度も学習会を行い、要求書を作成・提出して交渉に臨みました。そのかいあって、経験加算を勝ち取ることができました。「非正規のみんなが喜んでくれた」「"ありがとう"の言葉がうれしかった」など、職場の反応に声が弾みます。
困難な現状を直視し、切り開いてきた
組合結成のきっかけは、会計年度任用職員制度でした。宇治市職労の力強い援助もあり「新制度が出来るときにしっかり対応しないと、私たちの知らないところで私たちの賃金や労働条件が決まってしまう」「 "結成するのは今だ"と、導入が一年後に迫った一昨年末に結成しました」と副委員長のBさん。
しかし、順風満帆にここまで進んだのではありません。いざ組合を結成して加入を訴えると、「考えさせてほしい」「もう少し後で」などの反応が多く、「もっと入ってくれると思っていただけに、悩みました」と執行委員のCさんは当時を振り返ります。
「なんでやろう」と5人で何度も話し合い、たどり着いたのが、非常勤職員の不安定な雇用と格差の現実でした。「いつまで働けるのか」と常に不安な気持ちを持って働いています。だから、組合に加入すれば「当局から目を付けられる」との心配があり、なかなか加入に踏み切れないのではなどと話し合いました。
「組合に加入していれば、何かあった時に守ってあげることができる」と、親しい人たちから話をしていき、一度でダメなら、二度三度と励ましあって取り組んできました。
そんな中、一人の組合員の困り事(相談)を受け、組合として交渉を実施。「一人では声をあげられないが、みんなと一緒なら解決できる」と確信も生まれ、組合員も徐々に増えていきました。
組合員拡大で飛躍したのが、保育所での取り組みです。9月に保育所で説明会を行い、13人が加入してくれました。
執行委員のDさんとEさんは、「交渉して本当によかった」と言います。当局と向き合って、「非常勤職員も正規職員と同じ仕事をしていること、市民のためにいい仕事がしたいと頑張っていること、しかし雇用不安と格差の中で働いていることを、自分たちの力、言葉で伝えられた」と力強く語ります。
仲間をもっと増やし、楽しい組合に
最後に、今年の抱負を聞くと「仲間をもっと増やして、組合員に組合が楽しいと思ってもらえればうれしい」「"組合役員をしてもいいよ"と言ってもらえる組合にしたい」。明るい笑顔が返ってきました。
京都自治労連 第1958号(2020年1月5日発行)より