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機関紙 - 住民の「いのち、暮らし」守る仕事あきらめてはならない みんなでたたかう春闘

住民の「いのち、暮らし」守る仕事あきらめてはならない みんなでたたかう春闘

カテゴリ : 
組合活動
 2011/3/16 20:50

自治体労働組合の真価が問われる11春闘

 菅民主党政権の国民いじめの悪政に対する国民の怒りが大きく広がるなか、11春闘も大きな山場を迎えています。京都自治労連の各単組においても、学習会や要求書づくりが活発に行われ、様々な経験が生まれています。情勢は、私たちが地域へ出て、住民とともにたたかう春闘を展開することを求めており、田村書記長に春闘の取り組みの現状と方向について語っていただきました。

春闘をめぐる情勢の特徴は

新自由主義「構造改革」路線の歪が極限に

 先日発表された警察庁の自殺統計は、13年連続で3万人を超え、就職難の中で大学生の自殺が倍増しているショッキングな内容でした。社会に出る最初の一歩でつまずけば、全く希望が持てない社会になっている現れです。また、『無縁社会』、児童虐待、介護に関わる悲しい事件などが連日のように報道され心を痛めている方も多いのではないでしょうか。

 こうした日本社会のゆがみは、「一部のものが富めばそのおこぼれが全体にいきわたる」とした新自由主義「構造改革」路線にあります。『グローバル競争に勝ち抜く』ことを理由に雇用破壊、賃金破壊が強行され、非効率なものとして福祉・社会保障などが破壊されています。地方経済は破壊され、社会の土台を突き崩しているのです。

 こうした中で、地方自治体では、財政が困窮し、住民のための政策が後退し、本来果たすべき役割が果たせないばかりか、税や国保料の徴収強化も問題になり、公務員と住民を分断するような状況もつくられています。

 しかし、グローバル競争に対抗して、住民の暮らしを守れるのは「地方自治」です。地域の人たちと共同し、地方から日本社会のゆがみを正すことが大切です。

すべての労働者の賃上げで、景気回復
くらしのたて直しを 大企業に応分の負担を求め、社会的責任を果たさせよう

賃下げと経済停滞の悪循環は日本だけ

 日本では景気が悪くなると賃下げや解雇などは当たり前で、この10年間で労働者一人当たりの賃金は62万円減り、労働者の3分の1が非正規に。一方、世界の先進国では、90年代後半から一貫して労働者一人当たりの賃金は上昇し続けています。大企業や政府は、賃上げをすると企業の経営が悪くなり、経済が悪化するといいます。しかし国際比較すると賃上げをしなかった日本だけが経済成長も止まっているのです。雇用の安定と賃上げで消費を拡大しなければ経済が成長しない事は明らかです。
 11春闘は、こうした大企業の横暴に反撃し、日本経済のゆがみを正す春闘です。大企業に社会的責任を果たさせ、社会保障の充実・住み続けられる地域づくりのための運動をすすめるそんな春闘にしましょう。

TPP参加・消費税増税に反対の世論を広げよう

米言いなりの異常な従属に反撃を

 菅民主党政権は、自民党以上に「構造改革」を推しすすめ格差と貧困を国民に押し付けています。
 そして今、「構造改革」の総仕上げとも言うべきTPP(環太平洋連携協定)参加や消費税増税が狙われています。TPPは、米国がアジアの権益を奪い取ることが真の目的です(詳しくは4面で)。また、普天間基地問題、思いやり予算問題、自衛隊の海外派兵など米国言いなりの政治が国民生活を苦しめています。

 この春闘では、異常な米国いいなり政治に反撃する春闘でもあります。

子ども子育て新システムは許さない

 自由契約・営利企業の参入で保育の公的責任を放棄する「子ども子育て新システム」は、子どもの豊かな成長も親の就労の権利も危うくするものです。この春闘の大きな課題です。

外へ出て地域住民とともにたたかう春闘に

 攻撃は、公務員バッシングと表裏一体で仕掛けられています。マスコミあげての公務員バッシングで国民を分断し、「地域主権改革」の名で地方自治のあり方を根本から変えようとしています。
 自らのことだけでなく、住民要求を掲げてたたかうのが自治体労働組合の真価です。
 公務員バッシングの嵐の中で、首をすくめているのではなく、住民生活に目を向け、外へ出て、民間労働者・住民とともにたたかう春闘にしましょう。

組合員みんなでたたかう春闘に

 労働基本権制約の回復をめぐって大きく状況が変わり始めています。公務労働者が春闘をたたかう意味がますます重要になります。役員だけで方針を決めるのではなく、組合員みんなで学習・討議し、みんなでたたかう春闘に。また、京都自治労連として統一して、全単組で要求書を確立し、賃金をたたかう春闘にしましょう。

非正規雇用労働者の改善

 非正規労働者の賃金引上げと雇用安定、均等待遇を求めます。「すべての労働者の賃上げで、景気回復」自治体からワーキングプアをなくすことが重要です。

人員減で職場は限界

 住民生活を守るための仕事ができる人員闘争を、全組合員参加でたたかいます。また、仕事の進め方について、憲法に基づき考えることも大切です。
 春には一斉地方選挙もあります。住民生活を守る自治体建設の運動と結合して春闘をたたかいましょう。そして、要求前進の確かな力、労働組合の仲間を増やしましょう。


京都自治労連 第1747号(2011年3月5日発行)より

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