機関紙 - 府職労連 商店街で聞き取り調査 売上が普段の半分以下が4割以上…深刻な実態、求められるスピーディーな対応
府職労連は、「コロナ禍で、住民の暮らしと営業の実態と、国や行政に何が求められているか」を調査しようと、5月23日と30日に京都市内の商店街で聞き取りを行いました。聞き取り調査は初めての組合員もいて、不安もありましたが、訪ねた多くの商店で「よく来てくれた」と歓迎され、商売の現状や国、行政への要望や意見が出されました。両日で、延べ40人が参加し、120軒を超える商店を訪問。30日の行動には、京都市職労や京都自治労連からも参加しました。
コロナ禍で何が起きている
聞き取り調査を行ったのは、京都市上京区にある千本商店街、北野商店街、出町桝形商店街、出町商店街、堀川商店街。調査方法は、国や京都府・市の支援制度の紹介とコロナの影響、支援制度への意見や要望などの聞き取りで、二人一組で訪問しました。
切実な声が次々と寄せられる
新型コロナの影響で売り上げが50%以上落ち込んでいる店舗が、4割超になるなど幅広い業種で深刻な影響があることが明らかとなりました。
「インバウンド客の激減で、筆ペンや折り紙、休校で筆記具などダブルで売り上げ大幅減」(文具店)、「売り上げは、8割どころか9割減っている。昨日は一人だけ」(レストラン)、「4月は来客ゼロの日も、消毒などの経費も負担増」(美容室)など切実な声が寄せられました。
必要な人に必要な情報を
支援制度については、「申請してもいつになるか分からない。ドイツのように早く」「賃料や光熱水費の負担を何とかしてほしい」「家賃を3ケ月猶予してもらったが、先送りしているだけ。家賃補助制度早く」など素早い対応を求める声や、府や京都市の独自制度を知らない方もあり、「詳しく知りたい」の意見が寄せられました。
府職労連や京都市職労では、寄せられた声を府や京都市に届け、施策に生かされる様に求めて運動を強めています。
商店街実態調査:青年参加者からの感想
●Aさん
はじめは、話を聞いてもらえるか不安だったが、多くの店で、今の切実な状況や思いを話してもらうことが出来た。飲食店では、「今までのアルバイトの10人を入れることが出来ない」との話に、学生が収入の機会を失っていることを改めて実感した。国や府の支援制度の使い勝手の悪さを多くのところで聞いた。実態に見合った素早い対応が求められていることがよくわかった。
●Bさん
商店街での聞き取りは初めて、話し始めると店の外まで出てきて話していただけるなど、どのお店でも丁寧に対応していただきうれしかった。コロナの深刻な影響、商店街自体もショッピングセンターやスーパーなどとの競争のなか、存続の危機にあることが分かった。小さな声を集めて大きな声にしていきたい。
●Cさん
訪問して聞くことで「電話がつながらない。ネットはわからない」「4月初めに申請したのに、いまだにレスポンスがない」という支援制度の実際が分かった。府民にとって申請は大変で、欧州のようなスピーディーにできたらよいと思うが、それが、なぜできるのかを学んで深めたいと思った。聞いた声で何ができるのか、組合のみんなで考えたい。
京都自治労連 第1963号(2020年6月5日発行)より