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機関紙 - 農業・食の安全・地域社会まるごと破壊 「TPP」への参加阻止を

農業・食の安全・地域社会まるごと破壊 「TPP」への参加阻止を

カテゴリ : 
組合活動
 2011/3/16 20:00

 菅政権は「平成の開国」として、「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)」への交渉参加を検討するとし、6月までに結論を出すとしています。いま、全国各地で立場の違いを超えて、TPP参加反対の世論が大きく広がっていますが、ここでは、あらためて「TPP」が抱える問題点を明らかにしてみます。

全国で広がる反対の声

そもそも「TPP」とは何か

 TPPとは、農林水産物だけではなく、あらゆるモノ、サービスに関わる移動の自由を原則無関税化、非関税障壁の撤廃などによって行うとともに、労働者と資本の国際移動の自由も認めることを基本内容とする自由貿易協定です。現在9カ国が交渉を進めており、特にアメリカは今年11月のAPEC(アジア太平洋経済協力)までの交渉妥結をめざしています。

 このTPPに日本も加わることになれば、農業のみならず、多方面に深刻な影響が出ることは政府の試算でも明らかになっています。

農水省の試算でも悪影響は明らか

 農林水産省の影響試算によれば、農業の主要19品目での生産減は年4・1兆円、食料自給率は40%から14%へと急落し、コメの生産は90%減となるなど、日本の農業が壊滅の危機に陥ることは目に見えています。加えて、TPP参加によって農業および関連産業への影響は、国内総生産(GDP)の7・9兆円減、340万人もの雇用が失われるとの試算も出されています。

 現在、コメの価格は下落する一方となり、コメを作れば作るほど赤字になる状況です。TPPによってコメが打撃を受ければ、コメを中心とする日本の食文化に波及し、日本の農業は立ちゆかなくなり、担い手もいなくなる危険があります。

 京都府は未だにTPPによる影響試算を公開しませんが、TPPへの参加は雇用や国民生活、地域経済に大きな影響を及ぼすことは明らかです。財界や一部の大企業の要望に応えて、日本の農林水産業や地域経済を破壊することは断じて許されません。

異常な政府・マスコミの偏重報道

 「開国を急げ」「自由化だ」と息巻く政府は、このTPPが良いことのように宣伝し、マスコミも同調しています。この流れは「構造改革」「規制緩和」が推し進められた時とよく似ています。

 TPPが農林業だけの問題だとして、海外進出や輸出がしやすくなり、日本の成長の絶好の機会と捉える人も少なくありません。これは不明な点が多いTPPについて、マスコミが農林業だけの問題であるかのように矮小化して宣伝、報道している結果でもあります。全国各地で反対運動が大きくなる一方で、政府や財界の情報操作によって真実が明らかにされない異常な事態です。

 2月26日にはさいたま市で政府主催の「開国フォーラム」がおこなわれましたが、参加者からは「拙速な議論」「情報が少ない」など批判的な意見が続出、フロアからの質疑に対して政府側がまともに答えられない状況もあったと言います。

農業だけに限らないTPP問題

 農業だけではなく、医療や保険分野、雇用、地域経済へと悪影響を及ぼす危険性も明らかになっています。

 とりわけ、医療分野において、このTPPを契機に「混合診療の全面解禁」が一気に進み、貧富の差によって受けられる医療に格差が生まれ、命を守る医療現場が利益追求の市場になるのでは、と危惧されています。さらに、病院経営への株式会社参入が広がる恐れもあります。

立場を越えてあらゆる共同の輪を

 日本の農業と食の安心・安全、地域社会や地域経済、医療や雇用を軒並み破壊するTPPに対して、全国各地に広がる立場を越えた反対の声に連帯して、京都でも反対運動を強めていくことが必要です。日本の将来や地域、地方自治をも破壊するTPP参加を許す訳にはいきません。地域と住民生活を守るため、私たち自治体労働者、自治体労働組合が果たす役割はいつになく、大きくなっています。

 


京都自治労連 第1747号(2011年3月5日発行)より

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