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機関紙 - 【いのちの署名キャンペーン】シリーズ コロナ禍の社会保障を問う3…基盤弱体化にコロナ禍 介護・福祉でも「崩壊」が加速

【いのちの署名キャンペーン】シリーズ コロナ禍の社会保障を問う3…基盤弱体化にコロナ禍 介護・福祉でも「崩壊」が加速

カテゴリ : 
組合活動
 2020/12/5 9:10

 新型コロナ感染拡大で、介護・福祉分野でも経営難、人材確保の困難、相次ぐ施設内感染などが起きています。これらも、歴代政権の社会保障削減路線によって介護・福祉の基盤が弱体化していたところに、コロナ禍が襲いかかり生じた事態です。

全産業平均より10万円低い

介護・福祉分野の労働者は、高齢者や障害者の生活を支え、尊厳を守る重要な仕事を担っています。しかし、その平均賃金は、「全産業平均」より月額10万円も低い水準で、長時間・過密労働が常態化しています。さらに、この間の介護報酬の削減・抑制が続くなかで、事業所の経営難と職員の多忙化が加速。職員の離職が相次ぎ、募集をしても新規採用者の応募はなく、人手不足がいっそう深刻化しています。

「介護労働実態調査」(介護労働安全センター)によれば、今や全体の7割にのぼる事業所が、「従業員が不足」と回答。介護労働者の仕事上の悩みのトップが、「人手が足りない」55.7%)です。

介護保険制度がスタートして20年、現行のままの制度を維持することが困難な事態に至っていました。

そこに、新型コロナ感染拡大が襲い掛かりました。訪問介護やデイサービスでは、感染を恐れた利用者のサービス控えが続出し、経営は大打撃を受けました。マスクや消毒液、感染防護具も不足し、労働者の肉体的・精神的負担は過重化。さらに、全国70施設の介護・福祉施設で、施設内感染が発生。「コロナ離職」が起こり、人手不足に拍車をかけました。

『京都自治労連』(6月5日号)で社会福祉法人七野会理事長の井上ひろみさんは、このままでは介護崩壊を招くとして、政府・行政に「十分な衛生材料の確保、現場職員に公費での危険手当の支給」を強く求め、「介護は、保健ルールではなく、社会福祉の施策としての具体化が必要」と語っています。


京都自治労連 第1969号(2020年12月5日発行)より

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