機関紙 - 【いのちの署名キャンペーン】シリーズ コロナ禍の社会保障を問う4…保健所体制の弱体化政策が国民のいのちと健康をないがしろに
新型コロナ感染症が拡大するもとで、PCR検査が受けられない事態が起こり、多くの国民が普段その存在をあまり意識してこなかった保健所の体制が非常に脆弱であることが明らかとなりました。
連日、過酷な難務に従事
コロナ対策の最前線に立つこととなった全国の保健所職員は、PCR検査の相談、入院のあっせん、検体搬送、感染者の追跡(サーベイランス)など、国民の命を守るために連日、過酷な難務に従事しています。しかし、その不眠不休の奮闘にもかかわらず、「保健所にかけても電話がつながらない」「PCR検査が受けられない」など文字通り現場はパンク状態に陥り、保健師をはじめとする職員の懸命の奮闘が続いています。
半減された保健所
地域の感染症対策の拠点である保健所は、1990年代の地域保健法による「業務効率化」と、2000年代の「地方分権改革」による国の責任後退のなかで、保健所数は850カ所から469カ所にほぼ半減、職員数も7000人減らされてきました。(グラフ参照)
政府がこの30年間、保健所と職員を減らし過ぎたことが、今日の事態の最大の要因であることは明らかです。また、各都道府県の衛生研究所の予算・人員も抑制されてきました。
こうした公衆衛生行政の削減は、国民のいのちと健康をないがしろにしていたことを、コロナ危機は明らかにしました。
京都自治労連 第1971号(2021年2月5日発行)より