機関紙 - コロナ禍、住民を支え切る自治体・公務公共職場に…21春闘自治体キャラバン
京都自治労連は、2月22日〜26日に府内全自治体に要求書を提出し、当局と懇談を行う「2021年春闘自治体キャラバン」を行いました。今回のキャラバンでは、コロナ禍のもとでの住民のくらしの現状や課題、懸命に奮闘している職員が安心して業務に専念できる賃金・労働条件などの問題でやり取りを行いました。
地域経済暮らし大打撃
新型コロナウイルス感染症拡大による地域経済、住民生活の影響について南部のある自治体では、「茶業は、昨年・今年はコロナで大打撃を受け、3年前と比べると4〜5億円の減収」。北部の自治体では、「観光業が、緊急事態宣言発令で大打撃。宿泊業はキャンセルが相次ぎ休業も出ている。雇用にも影響」など、深刻な実態が語られました。このような中で、クーポン券の発行など、自治体独自に支援策を行っていること等が紹介されました。
正確なワクチン情報を伝えて
ワクチン接種問題では、各自治体で地域医師会とも連携を取りながら、集団接種や個別接種、会場の検討やかかりつけ医の協力体制などの協議が進められています。しかし、肝心のワクチンの入手情報が日々変化する状況に困惑し、国や府に対して「ワクチンがいつ、どれくらい送られてくるのかなど、情報をきちんと伝えてほしい」との意見が行く先々で強く出されました。
コロナ禍でのテレワークについては、「個人情報を扱う仕事が多く、出来る仕事が限られている」「課題を明らかにし、今後に向け改善したい」等の声が出されました。
暮らし守る大幅賃上げ
賃金労働条件問題では、「公務員の賃金を上げれば景気が良くなることはわかるが、『人勧準拠』の為、独自策は考えていない」の声や「ラスパイレス指数が100以下なので、改善したいとは思っているが、現在の財政状況では厳しい」等の実情も出されました。
執行部は、コロナ禍だからこそ、最低賃金の引上げをはじめ、誰でも8時間働けば人間らしく暮らせる賃上げが必要と強調しました。
時間外労働問題では、コロナ禍でイベントが中止となり減少している一方、コロナ対応の職場では増えていることなどが出されました。また、年休の消化については、大きく改善されているとはいい難く、南部では、年休消化5日未満の職員が、70人にも達している自治体もありました。
会計年度任用職員については、同一労働同一賃金とは程遠く、マイナス人勧を理由に年度途中からの一時金引下げや、一時金を支給した分、月例給を削減している自治体もあります。執行部は、賃金・労働条件の抜本的改善を強く求めました。
京都自治労連 第1972号(2021年3月5日発行)より