機関紙 - 国民監視、私権制限、運動弾圧…土地利用規制法案は廃案に
自民・公明の与党は、米軍や自衛隊の基地周辺に暮らす住民の個人情報を調査し、土地・建物の利用を制限する土地利用規制法案の今国会での成立をねらっています。米軍基地や自衛隊基地がある京都の住民にとっても大問題です。
京都に米軍1ヶ所自衛隊33ヶ所
土地利用規制法案は、総理大臣が安全保障上重要とみなす米軍・自衛隊基地、海上保安庁施設、原発といった「重要施設」の周囲約1キロと、国境離島を「注視区域」に指定し、区域内にある土地・建物の所有者や賃借人らを調査することを定めています。「注視区域」のうち特に重要とみなすものは「特別注視区域」に指定し、土地・建物の売買に事前の届け出も義務付けます。
自衛隊基地だけで「注視区域」の候補は全国で四百数十ヶ所、「特別注視区域」の候補は百数十ヶ所にもなります。京都には米軍施設1ヶ所、自衛隊施設33ヶ所があり影響は重大です。
2年以下の懲役200万円以下の罰金
調査の結果、政府が「機能を阻害する行為」や「明らかなおそれ」があると判断すれば、利用中止を勧告・命令でき、命令に違反すれば2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金が科せられるというものです。
法案の大きな問題は、調査の範囲が職歴や海外渡航歴、思想・信条、家族・交友関係などに及ぶ危険があることです。
また、調査を行う「関係行政機関」には警察や公安調査庁、住民運動を日常的に監視する自衛隊の情報保全隊などが含まれる可能性があり、憲法が保障する思想・信条の自由を侵す危険があります。
国会における審議でも、政府の答弁は二転三転し、法案提出理由すら説明できない状態です。反対の声を強め廃案にしましょう。
京都自治労連 第1974号(2021年6月5日発行)より