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機関紙 - 美しい久美浜を守りたい!

美しい久美浜を守りたい!

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組合活動
 2011/5/15 11:20

〜31年間たたかいつづけてよかった・久美浜原発反対闘争を振り返って〜

元久美浜町職委員長
今西英雄さん
 1948年に15歳で久美浜町に就職。55年、町職結成に参加。74年、町職委員長に就任。75年管理職に就く。1988年税務課長で退職56歳。原発反対闘争や地域の住民運動等に参加。

 東日本大震災に伴う東京電力の福島第一原発事故は、いまだに収束のめどがつかないばかりか事態はますます深刻となっています。府民の中で、「久美浜原発計画ストップは先見の明があった」との声が広がっています。31年間にも及んだ、久美浜原発反対闘争の歴史的意義はますます輝いています。その運動で奮闘されてきた、元久美浜町職員の今西英雄さん(元久美浜町職委員長)にお話を伺いました。

一気に広がった原発反対の声

 1975年6月、「久美浜町に原発」との報道に、建設予定地とされた蒲井地区をはじめ久美浜町に大きな衝撃が走り、蒲井地区中心に住民運動が瞬く間に広がった。建設予定地域での「原発建設反対・事前環境調査返上」決議や、湊漁協・京都府漁連や丹後の6つの漁協、観光協会などで次々と反対決議が上り、地域挙げて権力と対決する姿は、「百姓一揆を連想させた」と今西さんは当時を振り返ります。

労働組合と住民の団結が大きな力

 同年、熊野地労協を中心に久美浜町職や政党など町内24団体で「久美浜原発反対連絡会」が結成されました。「原発設置反対、調査返上」の署名運動では、わずか2週間で久美浜町内有権者の7割に及ぶ7151人あつめました。また、76年7月開かれた「久美浜原発反対京都府民集会」には、3500人の府民が参加。地域の人々と労働者が団結すれば大きな力になると実感したと今西さんは言います。

関電・当局による懐柔策

 しかし一方で、「久美浜若返り会」や「久美浜をよくする会」が結成され、「原発誘致の要望書」を提出。町議会は76年の10月議会で7000人を超える反対請願を否決し「原発受入れ」決議を強行する暴挙を行ったのです。

 関西電力と行政の動きも激しさを増し、戸別訪問や町の「原発学習会」「原発見学会」に関電が積極的に協力し、高橋英樹、里見浩太朗といった映画俳優も参加。イベントには、漫才師の「阪神・巨人」や歌手の五木ひろしなどが登場。

 また、関電からの寄付や、「初期対策交付金」として国から町に、81年から2003年で4億733万円が交付。この金を使って学習会や視察旅行と言う名の親睦旅行が数多く行われ、「タイ国電力視察」は国会でも問題になりました。

 こうした中で、1984年「地質調査」が開始されました。

歴史的たたかいの町長選挙

 この31年の間には、原発問題が争点となった町長選挙や町議会選挙が激しくたたかわれました。三つ巴となった1997年の町長選挙で、敗れはしたものの岡下候補が42%の得票を獲得、原発反対候補2名合わせると当選した候補を大きく上回る結果となり、また、2001年の町長選挙では、堤候補は47・6%の得票を取り、わずか470票差で惜敗。原発問題は極めて接近した状態を続け、「これにより建設強行は出来なかったのではないか」と「会」の代表をつとめた今西さんは当時を振り返ります。

 2004年、6町合併で京丹後市が誕生。初の市長選挙で「会」の候補者は勝利できませんでしたが、当選した中山市長は、「京丹後市に原発はなじまない」と述べ、粘り強い住民運動と住民の意志を反映して、京丹後市は2006年、関西電力に「事前環境調査撤回の申入れ」を行い、31年に及ぶたたかいに幕が下ろされました。

?女性よ風になれ?を合言葉に

 今西さんは、たたかいを振り返って、「学習を重視した事が大きな力」「特に女性たちのたたかいは、素晴らしかった」といいます。

 女性の自主的な「婦人学習会」が、1987年から12年間、月1〜2回のペースで開かれ、2時間の学習会に毎回10数人が参加。講師は今西さんが行いました。

 当時中心的役割を担っていた小国和子さん(故人:元久美浜母親連絡会代表)は、「確信を深めた学習会参加メンバーが、多くの女性と力を合わせ、長期間のたたかいの芯張り棒の役割を果たした」と述べています。『女性アピール』に取り組んだ町長選挙では「女性よ風になれ」を合言葉に97年には250人、2001年には261人の結集ができ、女性の実名入りのビラをそれぞれ発行。一人ひとりの対話のなかで、様々なドラマが生まれました。このたたかいの力が、原発建設を強行させなかった草の根の力になった。一緒にたたかえたことを誇りに思うと今西さん。

 今西さんは、「原発反対闘争の経験を引き継いで、ふるさとを守る取り組みに生かしてほしい。80歳になったが、私もまだまだ頑張る」と自治体労働者を激励します。


 今西さんは、78年企画課長の時に町長から、『久美浜町総合計画』策定を指示され、「全職員参加」「全住民参加」「専門家の指導」を三本柱として、当時、府立大学助教授の広原盛明氏に委託し、95%の世帯が協力した住民アンケートなど文字通り、全住民・全職員参加の原発に依拠しない『総合計画』策定を約3年かけて行った。議会では全会一致で可決された。機会があれば、紹介したい。


京都自治労連 第1751号(2011年5月5日発行)より

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