機関紙 - 力合わせ悪政を変える3 全ての労働者の大幅賃上げを
アベノミクスで大企業の内部留保は133兆円も増えましたが、労働者の実質賃金は年収で22万円も下がっています。これでは、物が売れず経済はますます低迷します。GDPの伸び率はOECD34ヶ国中最下位、世界では157位(191ヶ国)です。コロナ禍と物価高騰のもとで、暮らしを守るため大幅賃上げを実現する政治へ転換しましょう。
8時間働いて暮らせない日本の社会は世界的に見れば異常です。
カナダの大学の経済学で次のようなことが取り上げられました。「日本の貧困者は薬物もやらず、犯罪者の家族でもなく移民でもない。教育水準が低いわけでもなく、怠惰でもなく、勤勉で労働時間も長く、スキルが低いわけでもない。世界的にも例の無い、完全な『政策のミス』による貧困だ」と。
全くその通りです。
世界の先進主要国の賃金は、全ての国で上がっています。ところが、日本だけが下がっています(資料:表を参照)。これでは、暮らしが良くなるはずはなく、物が売れないのは当たり前です。
さらに、社会保障費は、先進主要国で日本だけが右肩上がりで、社会保障の負担が労働者に重くのしかかり、実質的な賃下げを招いています。
また、2021年度の日本の最低賃金は、全国加重平均で時給930円。年収で170万円。ワーキングプアの水準です。京都総評の調査では、京都で25歳の一人暮らしには1ヶ月25万円が必要です。
世界では最低賃金が大幅にアップ
先進主要国では、最賃を大幅に引き上げています。イギリスは4月に9.5ポンド(1520円)へ、ドイツは10月に12ユーロ(1620円)へ、米民主党は15ドル(1950円)へ引き上げる法案を検討しています。日本は、先進主要国の最賃引き上げから大きく遅れています。
一方、大企業の内部留保は、アベノミクスの8年間で133兆円も増え(40兆円もの大企業減税が一因)466兆円に達しています。コロナ禍でも内部留保は増え続けており、今こそ、コロナ禍と物価高騰から暮らしを守る抜本対策と大幅賃上げに使うことが求められています。
京都自治労連 第1987号(2022年6月5日発行)より