機関紙 - 5/29「公契約」を考えるシンポジウム…民間委託など公契約をめぐる近畿の運動を交流
5月29日、自治労連近畿ブロック主催の「『公契約』を考えるシンポジウム」が大阪グリーン会館で開催され、Webを含めて41人が参加して、「公契約」のあり方について議論を深めました。
「公契約」とは、国や地方自治体の事業を民間に発注・委託する際に結ぶ契約のことです。施設の建設工事、公共施設管理・運営、保育園や学童クラブの委託、窓口業務や情報管理等、生活に密着する多くの事業が、「公契約」として民間に発注・委託されています。
シンポジウムは、冒頭、自治労連弁護団の尾林芳匡弁護士が「あらためて公契約を考える」と題して公契約をめぐる課題を提起。守口市や大和高田市での学童保育事業の民間委託問題や吹田市で市民課窓口の民間委託を撤回させた運動など、「公契約」をめぐる近畿の状況が報告されました。
京都からは、アクトパル宇治の公募問題について、宇治市職労の東昭彦委員長が発言。財団法人・宇治市野外活動センターはアクトパル宇治の管理のために設立され、これまでは非公募で受託していましたが、22年度更新は公募にされてしまい、受託できなければ法人解散・職員解雇の危険性が生まれました。洛南地協は宇治市に申し入れ、雇用・労働条件の継承は仕様書に反映できなかったものの、事業の実績をしっかり評価させることで、結果として他の民間が参入せず受託できたことに注目が集まりました。
近年、厳しい財政状況を背景に、民間事業者の競争をあおり、自治体から民間事業者への公共工事や委託事業等における低価格・低単価の契約・発注が増大し、それにともなう受注先企業の経営悪化、労働者の賃金・労働条件の著しい低下がすすんでいます。公契約にルールを設けて契約・発注の在り方を問い直し、安定した企業経営と賃金・労働条件の改善をすすめ、公共サービスの「質」を確保し地域経済を活性化する「公契約運動」の前進が強く求められています。
京都自治労連 第1987号(2022年6月5日発行)より