機関紙 - 京深層水
先月22日、政府は凶弾に倒れてわずか2週間で安倍元首相の国葬を閣議決定した。
暴力で民主主義を封殺する行為に強く抗議するとともに、故人に哀悼の意を表明するものである。多くの国民がそういう気持ちを抱いているに違いない。しかし、多額の税金を使って、国民に安倍政治の美化礼賛や弔意を強要することにつながる国葬の実施は全く別問題である。過去には自治体でも半旗の掲揚が強要されたこともあり、国だけの問題といってはいられない。
改憲策動、憲法違反の安保法制や共謀罪法の強行、アベノミクスによる格差と貧困の拡大、森友・加計・桜疑惑などの政治の私物化などに私たちは労働組合としても反対してきた。また、選挙後に犯行の動機が霊感商法や集団結婚など反社会的団体である旧統一教会の広告塔の役割を担ってきたことへの私怨からだったことも明らかになるなど安倍政治の功罪は定まっていない。現にネット調査でも国葬に反対が多数となっている。国葬は中止すべきではなかろうか。(F)
京都自治労連 第1989号(2022年8月5日発行)より