機関紙 - 2022人事院勧告に対するコメントを、都市職、町村職、非常勤職員労組の委員長から寄せていただきましたので紹介します。
物価高騰に対応せず、職員の奮闘に応えない勧告
福知山市職執行委員長 衣川 浩司さん
今回の人事院勧告は、物価高という社会の大きな変化に応じた対策として諸手当の見直しが示されておらず、人事院勧告の仕組みそのものの課題を露呈していると考えます。
長く続くコロナ対応など自治体職員は激務が続いており、日々住民のために働く職員の志に頼るばかりの行政運営を是正しなければなりません。命を削って職務を進めている職員が安心して働き続けるための勧告とはなっていないことが一番の課題で、各自治体が独自に職員の処遇や人員体制の整備、職場環境の改善に取り組むしかありません。
「人勧を上回る改善を!」の大きな声を
精華町職執行委員長 松田 敏さん
「3年振りのプラス勧告」にも関わらず、組合ニュースを配る声に力が入らない。「どのくらい上がるの?」「〇百円!」「………」と組合員も微妙な反応。物価上昇や消費経済回復、社会全体の賃金の底上げが急務の中、賃上げの流れに大きな歯止めをかける今回の人勧。働く者の要求や生計費は完全に無視。独自の基準がない小さな自治体では、人勧に頼らざるを得ないのが現状。今年の確定闘争は、人勧制度の是非が大きな争点。「人勧準拠を許すな!」の声を強めていきたい。
公務が格差を助長するなど受け入れられない
宇治市非常勤労組執行委員長 野村 史枝さん
今回の勧告では、非常勤職員の賃金改善は全く触れられていません。会計年度任用職員の一時金の制度には、勤勉手当がなく期末手当しかありません。上げる時は勤勉手当で、下げる時は期末手当で、私たちの一時金は下がるばかりです。私たちは見捨てられた存在と腹が立ちました。国の非常勤職員の一時金は、正規職員と同じ月数で期末手当と勤勉手当が支給されています。公務が率先して格差を助長するなど受け入れられません。非正規の8割は女性、健康で文化的な生活ができるよう処遇改善が必要です。
京都自治労連 第1990号(2022年9月5日発行)より