機関紙 - 京深層水
先月24日、政府は全国知事会など地方の要請を受けて新型コロナ感染者の全数把握を地方の医療逼迫状況に応じて自治体の判断で重症リスク者に限定できる緊急的措置を認める方針を打ち出したが、地方からは全国一律にすべきとの声が上がり、政府は迷走している。
府内においてもコロナ重症患者を受け入れている13病院長と医師会長が連名で声明を出さざるを得ないほど医療現場は逼迫しており、現場の負担軽減のための措置としては理解できる。しかし、第7波での感染者の爆発的拡大は経済最優先で感染者数を押さえるための有効な手立てを何ら打ってこなかった政府にその根本的責任がある。
地方は医療資源を確保するための財政を含めた措置や新規感染者数をこれ以上増やさないための有効な対策を講じることなどを政府に求めることこそが本筋であろう。変異株が必ずしも軽症化するとも限らず、全数把握の見直しがかえって感染を蔓延させるのではと考えるのは杞憂だろうか。(F)
京都自治労連 第1990号(2022年9月5日発行)より