機関紙 - 京都の地域医療を考えるシンポジウム…府内各地の医療守る運動を交流 住民参加の取り組みが力
8月11日、京都社会保障推進協議会が主催する「京都府地域医療シンポ」が開催され、40人の府民が参加しました。基調講演を佛教大学准教授の長友薫輝さんがおこない、地域医療を守る取り組みについて、府内4ヶ所からの報告がありました。
政府のコロナ対策きびしく批判
基調講演で長友先生は、地域医療を考える時には、(1)在宅医療と在宅介護の体制、地域包括ケアシステムの構築、地域共生社会づくりから考えること。(2)コロナ禍における政府の医療政策の特徴は、医療がひっ迫しているのに、引き続き、公的医療費抑制を展開していると強調。
そして、今日のコロナ禍は、ほぼ「人災」だとして、感染の波は何度も来るのに歴史から学ばない。感染をコントロールするのが政府の役割なのに、科学的な対応を行わず、現場の努力、人々の自己責任、助け合いに依存している状態。しかも「自宅療養」というあいまいな用語規定を行い、都合のいいように数字の操作などが行われていると、2年半の政府のコロナ対策を厳しく批判しました。
豊富な経験交流
地域からの報告では、京丹波町病院と京丹波町の地域医療を守る取り組みについて、2回の住民学習会と町長選挙で公開質問状を提出し、回答を新聞折り込みにして、病院と地域医療を守ることを町長選挙の争点にした経験。福知山市民病院大江分院の病棟と病床が、住民に全く説明もなく16床も削減されたことについて、大江町の地域医療を考える会から報告。洛西ニュータウン病院の婦人科が来年4月から閉科になることに反対する取り組み。南丹市美山診療所が市直営になった後の課題などが報告され、地域医療を守る運動を交流しあい、住民参加の運動の重要性を確認し合いました。
京都自治労連 第1990号(2022年9月5日発行)より