機関紙 - 京深層水
この号がみなさんに届く頃には過去の話となっているであろう安倍元首相の「国葬」。おそらくそこには京都から府知事、京都市長などが参列するとともに、府内の自治体庁舎などで半旗が掲揚されたであろう。
岸田首相が「国民に弔意を強要しない」と言い、国からも何の文書もないという「前例」と異なるにもかかわらず、公人として首長が「前例を踏襲して」公費を使って葬儀に参列し、半旗を掲げたことは、首長が独自に判断をしたこととして住民への説明責任が伴う。
しかも、安倍元首相銃撃事件の動機となった「旧統一協会」の高額献金などカルト的反社会性が明らかになるとともに、法的根拠なしにコロナ禍で巨額の血税を使うことの妥当性が問われる中で、国民世論は「反対」派が多数を占め、日々増える中で「国葬」を迎えることとなったことを考えれば、そういった国民多数の思いに抗して参列した理由についても改めて説明が求められることになるが、その説明は果たしてされただろうか。(F)
京都自治労連 第1991号(2022年10月5日発行)より