機関紙 - 最賃1500円実現へ…署名運動がスタート 自治体が率先して大幅引上げを
10月9日より、京都府の最低賃金が時給31円アップして968円になりました。しかし、物価高騰に賃上げがまったく追い付かず、厚生労働省が発表した毎月勤労統計によると実質賃金はマイナス1.7%(8月)。5ヶ月連続のマイナスです。一刻も早い全国一律の最低賃金1500円が必要です。
全労連・国民春闘共闘委員会は、「全国一律最低賃金と時給1500円以上を実現させるためには、これまで以上に早い段階からの最賃運動のスタートが必要」と、22年の最低賃金が改定された当月の10月13日、全国一律最低賃金署名スタート集会をオンラインで開催しました。
集会では、全国で行われている最低生計費調査を監修する静岡県立大学短期大学部の中澤秀一教授が、「賃金が物価上昇に見合わず、労働者が求める『全国一律・1500円』にほど遠いのは、岸田政権の『平均1000円』という世界の常識からかけ離れた不十分な目標にある」と批判。「最賃は、国が直接引上げできる唯一の制度だ」と強調。「我々の運動で、最賃に対する世論が変化しており、『全国一律・1500円』の最賃を求める運動を、早くから取り組み実現させよう」と呼びかけました。
自治体に働く全労働者を1500円以上に
京都府内の最低賃金が、968円へのアップにともなって、幾つかの自治体で会計年度任用職員の最賃割れが起こることが明らかとなりました。単組や京都自治労連の取り組みで最賃割れは回避しましたが、会計年度任用職員の賃金が、限りなく最低賃金水準の実態に置かれていることは大問題です。
また、地域手当の非支給地域で正規職員の最賃割れ(高卒初任給)が発生します。自治体が新規採用者を最賃未満で働かせるという、あってはならない事態の改善が直ちに必要です。
住民の暮らしを守り地域経済を活性化するためにも、自治体に働くすべての職員の時給を率先して1500円以上に引上げ、全ての労働者の賃金の底上げの先頭に立つべきです。新しく提起された最賃署名を職場、地域から大いに広げましょう。
京都自治労連 第1992号(2022年11月5日発行)より