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機関紙 - 自治体労働者の真髄を見た 被災地への支援まだまだ必要 〜京都自治労連が岩手の被災単組をお見舞い訪問〜

自治体労働者の真髄を見た 被災地への支援まだまだ必要 〜京都自治労連が岩手の被災単組をお見舞い訪問〜

カテゴリ : 
組合活動
 2011/6/16 19:50

京都自治労連は、5月30日〜31日の2日間、今回の東日本大震災で深刻な被害を受けた岩手県の自治労連の仲間である10単組へお見舞いと現地調査を行いました。参加したのは、高松書記次長、西山執行委員、元本部役員で東北に詳しい永見忠さん(元副委員長)、府職労教宣部の中浜雅夫さんの4人。訪問した岩手自治労連単組は、陸前高田市職労、大船渡市職、大槌町職、釜石市職労、山田町職、久慈市職労、洋野町職、野田村職、普代村職、岩泉町職です。台風の影響で暴風の中の訪問となりました。

壊滅の状態の陸前高田市にショック

内陸部の一関から海岸部へと下っていくと、突然目の前にまさに壊滅状態の陸前高田市の全貌が開け、破壊のすさまじさに声を失いました。災害から3ヶ月近くになり、ガレキの撤去が一定すすみ、まさに何もないただ何もない更地が広がり、道路の直線だけがくっきり見えます。ここにかつてたくさんの市民が暮らし、家族の営みがあったのだと想像すると胸が張り裂けそうです。陸前高田市のガレキの撤去には、あと2〜3年かかるといわれています。

必死で頑張っている

陸前高田市では、職員296人中68人が犠牲になり、組合役員も書記長、書記次長、会計、書記が犠牲に。また、大槌町では職員の三分の一が犠牲になり、今も33人の方の行方が不明。役員も書記長と副委員長、女性部長、女性部副部長、前委員長が犠牲になりました。家族を亡くしたり、家が被害にあった職員も多数います。また、震災後、たまたま出張で助かり、すべての同僚を亡くしたある職員が、自らいのちを絶つ悲しい事もありました。このような状態であるにもかかわらず、土日も役所を開けて対応しなければならないため、休みもとらずに住民のために必死で頑張っています。「5月から交替でやっと休めるようになった」との声を聞きました。また釜石市では、超勤が100万円を超えているとの話もあるほどです。

家が被災した職員の多くは、避難所で生活していますが、どうしても住民優先で支援物資を配布するため、職員には中々回ってきていません。書記局にいた女性職員からは「1ヶ月間化粧も出来なかった」と笑うに笑えない話を聞きました。

庁舎が被災にあった陸前高田市大槌町では、仮設の庁舎を建設して対応。組合書記局も仮設の中に確保し、復興の拠点として、また、組合員の拠り所となっています。

庁舎が高台にあった大船渡市山田町では、地域は重大な被害や壊滅的な被害をこうむっていますが、市役所・町役場は被害にあっておらず、文字通り復興への中心となっています。庁舎が無事かどうかによって大きな違いを目の当たりにしました。

野田村では、壊滅した町のガレキの中から集められた、写真アルバムが展示してありました。担当の女性職員は「家族の方や知り合いの方が見つかり、これでも随分少なくなりました。写真は家族のかけがえのない歴史です。一日でも早く持ち主のところへ届けたい」と語ってくれました。

基幹産業である漁業が壊滅

沿岸部分の自治体で幸いにも防波堤が機能し、住宅地に大きな被害が出なかった所でも、基幹産業である漁業は壊滅。普代村では、650隻の漁船の9割が被害に遭い、倉庫150が破壊されました。洋野町岩泉町などでも同様の壊滅的な被害を受け、地域経済再建が見えない状態です。

山田町では、避難所で町長も参加する住民懇談会が行われていますが、年配の方を中心に「住み慣れたところに住みたい」との声が強く、若い世代からは「安全なところへ」の声が出ているようです。

職員削減と合併が、災害をさらに深刻に事実ゆがめた報道に怒りの声

「大槌町が釜石市と合併しなかったから復興が遅れている」(朝日5\30)との新聞報道に対して、各単組役員から「事実を捻じ曲げた報道」と怒りの声が上がりました。大船渡市職書記長の金野さんは、「大槌町では、人員削減が行われギリギリ状態、職員の三分の一が亡くなり、町長も亡くなっている。復興がおくれるのは当たり前」と怒りの声。大槌町職の書記の方は、「合併しなかったから…との報道は心外。必死で頑張っている町民や職員の事がわかっていない。みんなで決めた事」と怒りをあらわに。

もっともっと支援が必要

大きな被害を受けた自治体の人口が集中するところでは、一定の支援が届いていますが、半島の小さな集落へは、まだまだ届いていないのが現状です。また、重機が入ってガレキ撤去も始まっていますが、田畑などは全く手付かずのまま放置されているところがほとんどです。支援の継続を強く感じました。


京都自治労連 第1753号(2011年6月5日発行)より

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