機関紙 - 40年8ヶ月ぶりの記録的な物価上昇…根本的対策に背を向ける岸田政権
長引くコロナ禍、記録的な物価高騰、相次ぐ医療・社会保障の改悪など、国民の暮らしと地域経済はますます重大事態です。今こそ、大幅な賃上げと消費税の5%減税が必要です。職場、地域から23春闘での大幅賃上げ実現へ官民共同の取り組みを広げましょう。
総務省が11月18日発表した10月の消費者物価指数は、前月比3.6%上昇となり、実に40年8ヶ月ぶりの記録的な物価上昇となりました。
40年8ヶ月前とは、第二次オイルショックの影響がつづいた1982年2月であり、現在の物価高騰は、これまで経験したことがないような事態となっています。物価上昇による負担増(生鮮食料品除く)を試算すると、2人以上の平均的世帯で年間13万1千円にもなります。
国民の負担増は、物価上昇だけではありません。例えば高齢者の方では、年金が0.4%減らされ、介護保険料、75歳以上の高齢者の医療保険料も値上がりし、窓口負担は2倍になっています。
ところが、岸田首相がやろうとしている総合経済対策は電気代やガス代の一時的・部分的給付にとどまり、今の急激な物価上昇への根本的対策にはなっていません。消費税を5%減税した場合、年間約12万円〜13万円の負担軽減に直接結びつき、物価高騰分を相殺できます。世界では、コロナ対策として99ヶ国で消費税減税が実施されています。
「先進国で、日本だけが賃金が下がっているのはおかしい」「物が売れないのは当たり前」の声が広がり、世論も変化し始めています。
民間の年末一時金の回答は、前年並みで推移しています。物価高騰に追い付いていません。全労連は、25年ぶりに月額3万円以上の要求、時間額190〜200円を要求することを示しました(全労連・国民春闘共闘委員会24日)。23春闘に向けて、今から声を上げることが必要です。
京都自治労連 第1993号(2022年12月5日発行)より