機関紙 - ◆統一地方選挙の争点〈上〉…保育士の応募がない…国に抜本的な配置基準の見直し求め自治体独自の改善策を
昨秋に行った京都自治労連の自治体キャラバンで、少なくない自治体当局から「保育士への応募がない」「何度も募集を行っているが応募がない」と深刻な実態が語られました。全国で相次ぐ保育現場の事故に、「保育士不足」の問題が指摘されています。
悪循環の現場
各自治体では、国基準である保育士配置基準を満たすために非正規(会計年度任用職員)の保育士を採用して対応しているのが実情です。半数以上の保育士が非正規職員で構成されている自治体もあります。
配置基準を満たすために、穴が開いた時間帯に非正規の短時間勤務の保育士を当てはめる等、勤務表を組むのも大変な事態で、「パッチワーク」のような勤務表になっています。
また、非正規の保育士が大量に配置されると、担任や時間外勤務、事務仕事などで正規職員への仕事が集中し、「これではとても体がもたない」と退職に追い込まれる保育士も少なくはありません。
74年前の配置基準
厳しい保育現場と保育士不足を生み出す根本の問題は、保育士の配置基準が実態に合っていないからです。例えば5歳児の場合、保育士1人に対して園児30人という配置基準は、戦後74年間まったく見直されていません。
今自治体に求められているのは、国に対して保育士の配置基準の抜本的見直し、処遇改善を求めるとともに、自治体独自で出来る施策を行うことです。
地方選争点に
保育士の配置基準の抜本的見直しをすすめ、処遇改善など、よりよい保育の実現が統一地方選挙の争点になるよう要求運動を広げましょう。
京都自治労連 第1995号(2023年2月5日発行)より