機関紙 - ◆統一地方選挙の争点〈中〉 労働者の賃上げで地域の活性化を…非正規公務労働者の処遇改善すすめる議会を
日本の賃金は約30年間ほとんど上がっておらず先進国の中でも最低水準、国内消費は冷え込み、景気低迷の一因となっています。そこに追い打ちをかけるような40年ぶりの物価高騰。働く者の賃金が上がれば、消費が促進され、地域経済が活性化します。
岸田首相は、「物価上昇を超える賃上げ」に言及しますが具体策は何もなく、財界にお願いするのみに終始しているのが現状です。賃上げというのなら、大企業がため込んでいる内部留保500兆円の一部を賃上げに回す手立て、最低賃金を時給1500円以上実現するために日本の労働者の7割が働いている中小企業への支援、高卒初任給が最賃以下の公務労働者の賃上げなどを直ちに行うべきです。
公務がワーキングプア作り出す
日本の低賃金政策の一翼を担わされてきたのが自治体です。政府や財界がすすめる人件費のコストダウンが押し付けられ、30年間で50万人の正規職員が削減され、不安定雇用・低賃金の非正規職員に置き換えられました。また、公務職場そのものを民間委託や指定管理制度に置き替えてきました。
これらの結果、住民サービスが低下するとともに、「公務の非正規労働者の賃金水準は最賃ギリギリで、地域の賃金水準を押し下げている」「公務職場がワーキングプアを作り出している」などと厳しい批判が広がっています。
自治労連が取り組んだ「3Tアクションほこイカアンケート」では、会計年度任用職員の8割が女性、自分で生計を立てている人でも年収200万円未満が半数近くになっています。これでは生活はできません。
自治労連の運動もあり、テレビや新聞でたびたび取り上げられ、公務職場の実態が注目されています。その成果の一つとして、会計年度任用職員に支給されていなかった勤勉手当を支給できるよう地方公務員法が改正されることになりました。
労働者の大幅賃上げ、自治体職場のすべての職員の処遇改善をすすめる地方政治と地方議会にするために、職場・地域から大幅賃上げの取り組みを大きく広げましょう。
京都自治労連 第1996号(2023年3月5日発行)より