機関紙 - ◆統一地方選挙の争点〈下〉 住民のいのちが重大な岐路…大軍拡反対を貫く自治体を
岸田政権がすすめる大軍拡路線が、住民のいのちと暮らしを脅かしています。京都自治労連が行った春闘キャラバンでの懇談で、少なくない自治体当局が「外交・防衛は国の専権事項であり意見を言う立場ではない」としています。住民のいのちを守る自治体こそ「大軍拡反対」を発信すべきです。
日本全土が戦場に
準備が始まっている
浜田防衛相は国会で、「集団的自衛権を行使した後、事態によっては他国からの武力攻撃が発生し、被害を及ぼす可能性がある」と認めました。
また、全国283地区の自衛隊基地・防衛省施設の約2万3000棟を核・生物・化学兵器や核爆発などあらゆる脅威に耐えられるよう、「強靭化」をすすめる計画が明らかとなりました。計画には、舞鶴の海上自衛隊司令部の地下移転や、祝園分屯地(精華町)に長射程ミサイル保管用大型弾薬庫を拡張する工事も含まれています。予算措置は、2023年度から10年。前半5年で4兆円、後半5年を含めると膨大な額が必要となります。危険な大軍拡に今後5年間で、43兆円もの軍事費が使われます。すでに国の23年度予算では、軍事費が異常に突出する一方で、社会保障費1500億円削減など暮らしの予算が圧迫されています。
「強靭化」計画は、日本全土が攻撃される事態に備えての計画です。「国防は国の専権事項」と言って、目の前ですすんでいる住民のいのちが危険にさらされる事態に「国に何も言わない」首長や議会でいいのでしょうか。地方自治体の最大の仕事は、住民のいのちを守り、福祉を向上させることです。
今、自治体・首長・議会に求められているのは、安保法制、「安保3文書」、大軍拡にきっぱり反対することです。統一地方選挙に行きましょう。
京都自治労連 第1997号(2023年4月5日発行)より