機関紙 - 急がれる"災害に強い"まちづくり 住民の命守る自治体の役割発揮
8月13日に台風7号が近畿圏を縦断し、各地で大きな被害を出しました。京都では、13日深夜から16日朝までに、綾部、福知山、舞鶴の3市で総雨量が8月の1ヶ月分の降水量を超え、床上浸水72棟、床下浸水216棟、土砂流入など大きな被害となりました。
今回は、福知山市の状況と福知山市の対応などを紹介します。
福知山市の被害は、大江、北陵の地域に集中し、民家被害は土石流入が17棟、床上浸水18棟、床下浸水37棟、計72棟にのぼりました。山からの土砂の流入は、市道6路線の通行止めをひきおこし、田畑・農作物への被害も大きなものとなっています。
福知山市では、福知山市社会福祉協議会が「福知山市災害ボランティアセンター」を17日から立ち上げ、個人宅の家屋に流入した土砂の撤去や濡れた家具の整理、屋内の泥のかきだし作業など、市内外からボランティアを募集し、地域の復旧にあたりました。
京都総評の呼びかけでボランティアに参加
8月20日、京都総評の呼びかけで、京都府職労連、京都市職労、京都自治労連から9人の仲間がボランティアに参加しました。
ボランティアセンターでは、住民の要請を受け、必要な支援・人員などを割り振り現場まで案内します。参加者は現地の説明後、雨で裏山の土砂崩れが発生した高齢者世帯の家で土砂撤去作業を行いました。
猛暑の中、スコップと一輪車での土砂の搬出作業は大変でしたが、住民の方の「本当に助かります」と話していただいた笑顔が大きな励みになると、参加者は午後からも奮闘しました。
本格的な台風シーズンはこれから、一刻も早い復旧が急がれます。
災害発生時には市役所全体で対応
福知山市では危機管理室を設置し、気象情報や様々な情報を24時間監視し防災にあたっています。今回の台風は、気象情報から雨風の強さや進路などを把握して、避難所の開設、日時などを判断、一斉に担当課や係に発信します。
市内各地にある避難所の開設は、担当の職員が決まっていて、昼夜を問わず交代しながら開設し、避難者の有無とは関係なく避難所を維持します。
一方で、情報収集でも大きな役割を担っています。消防と連携して、被害状況を危機管理室に報告。2次被害3次被害に対応できるよう備えます。道路や河川の管理、上下水道の部署では、被害拡大防止や被害箇所の修復など暴風雨中からその後の被害箇所復旧にあたります。市民窓口から福祉、教育に至るまで、通常業務を維持しながら、住民の生活復旧にあたります。
人的被害が無かったことがなにより
福知山市職 Aさん
夜久野支所で、総務業務とあわせて防災係を担っています。今回の台風では人的被害が無かったことがなによりだと胸をなでおろしています。私の担当する管轄では比較的被害は少なかったですが、20名弱が避難所を利用するなど住民の不安は相当だったと思います。避難には介助が必要な方もあり、福祉部門や消防団とも連携して、避難できる福祉施設などをあたったり、早めに避難するよう説得・誘導したり、地域に根差した対応をとっています。
京都自治労連 第2002号(2023年9月5日発行)より