機関紙 - 京深層水
今月中旬から臨時国会が開かれる。私たちにとっては人勧に伴う給与法改正が気になるが、岸田首相にとっては経済対策と補正予算の成立が気になる様だ。
マイナ保険証の不備など支持率低下に歯止めをかけようと内閣改造を試みたものの空振りとなり、何とか支持率を回復させて解散総選挙に持ち込もうとしている様に見えるのは私だけではあるまい。
補正予算規模は15〜20兆円と言われており、コロナ禍で20年度が73兆円、21年度・22年度も30兆円を上回ったが、それに次ぐ大規模補正であり財政規律はどこ吹く風である。経済対策の中身はこれからだが、柱の一つに「持続的賃上げ」を掲げ、首相は最賃を「2030年代半ばに1500円に」と述べているが、この問題に詳しい中澤秀一静岡県立大准教授は、「その頃には先進諸国の最賃は2000円を超える、日本は置き去りにされるだろう」と指摘している。
真面目に「持続的賃上げ」を掲げるなら少なくとも解散で公務員賃金改定を吹き飛ばさないようにしてほしいものだ。(F)
京都自治労連 第2003号(2023年10月5日発行)より